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ドイツ代表の知っておきたい6つのこと 1275億円軍団に香川真司の親友もメンバー入り【サッカーW杯】

 サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は現地11月20日に開幕する。日本代表戦を楽しむための対戦国基本情報を「知っておきたい6つのこと」と題して紹介する。今回は日本とも縁の深い欧州の強豪国、市場価値総額8億8550万ユーロ軍団のドイツ代表の基礎知識をお届けしよう。

日本代表は初戦でドイツ代表と対戦する【写真:Getty Images】
日本代表は初戦でドイツ代表と対戦する【写真:Getty Images】

 サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は現地11月20日に開幕する。7大会連続出場となる日本代表は森保一監督のもと、過去最高成績のベスト16超えを目指し、4年に1度の大舞台に挑む。

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 32か国で争われる今大会。グループリーグでは、1グループに4か国が振り分けられ、総当たり戦で勝ち点の上位2か国が決勝トーナメントに進出。日本はグループEでドイツ、コスタリカ、スペインと同組に入った。ここでは、日本代表戦を楽しむための対戦国基本情報を「知っておきたい6つのこと」と題して紹介する。今回は日本縁の深い欧州の強豪国で、ドイツ移籍情報専門サイト「transfermarkt」が独自に算出する市場価値が、登録26選手で総額8億8550万ユーロ(約1275億円)にものぼるドイツ代表の基礎知識をお届けしよう。
【スペイン代表の「知っておきたい6つのこと」はこちらから】
【コスタリカ代表の「知っておきたい6つのこと」はこちらから】
【グループEの日程、順位表はこちら】

    【目次】

  1. 招集メンバー、注目選手&監督
  2. 国の概要
  3. 代表チームの歴史
  4. 歴代の名選手
  5. 日本との関係
  6. 日本代表との過去の対戦

ドイツ代表の招集メンバー

GK
マヌエル・ノイアー バイエルン・ミュンヘン
マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン バルセロナ
ケヴィン・トラップ フランクフルト
DF
アルメル・ベラ=コチャプ サウサンプトン
マティアス・ギンター フライブルク
クリスティアン・ギュンター フライブルク
ティロ・ケーラー ウェストハム
ルーカス・クロスターマン RBライプツィヒ
ダヴィド・ラウム RBライプツィヒ
アントニオ・リュディガー レアル・マドリード
ニコ・シュロッターベック ドルトムント
ニクラス・ジューレ ドルトムント
MF
カリム・アデイェミ ドルトムント
ユリアン・ブラント ドルトムント
レオン・ゴレツカ バイエルン・ミュンヘン
マリオ・ゲッツェ フランクフルト
イルカイ・ギュンドアン マンチェスター・シティ
ヨナス・ホフマン ボルシアMG
ヨシュア・キミッヒ バイエルン・ミュンヘン
ジャマル・ムシアラ バイエルン・ミュンヘン
FW
ニクラス・フュルクルク ブレーメン
セルジュ・ニャブリ バイエルン・ミュンヘン
カイ・ハフェルツ チェルシー
トーマス・ミュラー バイエルン・ミュンヘン
ユスファ・ムココ ドルトムント
レロイ・サネ バイエルン・ミュンヘン


ドイツ代表の注目選手

トーマス・ミュラー【写真:ロイター】


トーマス・ミュラー(FW/バイエルン・ミュンヘン/33歳)
 2008年のトップデビュー以降、クラブと代表で数々のタイトルを手にした万能型アタッカー。20歳で出場した10年大会で5ゴールを奪い、W杯史上最年少で得点王に輝くと、14年大会でも5得点を挙げ母国の優勝に貢献した。近年は衰えを指摘される時期もあったが、フリック監督に重用されておりチャンスメイクでも存在感を発揮する。W杯通算10得点は歴代8位タイ。09年に結婚した妻のリサ・ミュラーは馬術選手。

ヨシュア・キミッヒ(MF/バイエルン・ミュンヘン/27歳)
 ドイツ代表の心臓部を司る攻守の要。中盤の底から高精度パスと的確な状況判断でゲームを組み立てるだけでなく、闘志あふれるプレーで勝利への貪欲な姿勢も見せる。右サイドバックでもプレー可能で、21歳で出場した16年EURO(欧州選手権)では大会ベストイレブンに選出。その後は代表の中心選手に成長し、15年から在籍するバイエルンでは数多くのタイトル獲得に貢献している。

イルカイ・ギュンドアン(MF/マンチェスター・シティ/32歳)
 卓越したテクニックを武器に、2011年に加入したドルトムントでボランチとして頭角を現す。当時同僚だった香川真司とは親友として知られ、自身のSNSでも仲の良さを示す投稿がたびたび見られた。2015年6月には来日し、W杯アジア2次予選の日本VSシンガポールの試合を香川のユニフォームを着てスタンド観戦した姿が話題に。16年夏に移籍したマンチェスター・シティでは、名将ジョゼップ・グアルディオラの下でプレーの幅を広げ、20-21シーズンには公式戦17ゴールを奪い、プレミアリーグ制覇の立役者となった。

日本VSシンガポールの試合を観戦したギュンドアンの実際の画像


マヌエル・ノイアー(GK/バイエルン・ミュンヘン/36歳)
 “GK大国”ドイツが誇る絶対的守護神。2009年のA代表デビュー以降、ペナルティーエリア外への果敢な飛び出しと巧みな足技を見せるスイーパーのようなプレースタイルが世界に衝撃を与えた。36歳となった今も抜群の反応で決定機を防ぐなど、フリック監督からの信頼も厚い。2010-11シーズンにはシャルケで内田篤人と共闘。東日本大震災直後の試合で被災地へのメッセージを書いたシャツを見せる内田に最後まで寄り添い、DFBポカール優勝後にはカップを掲げる内田を肩車して歓喜した姿は、日本のファンにとって忘れられない光景となっている。

東日本大震災直後の試合で内田に最後まで寄り添ったノイアーの実際の映像


ドイツ代表の監督

ハンス=ディーター・フリック(57歳)
 ドイツ代表のヨアヒム・レーヴ前監督の右腕として2014年ブラジルW杯優勝など母国の黄金期を支えると、19年に名門バイエルン・ミュンヘンのアシスタントコーチに就任。同年11月、成績不振によりニコ・コバチ監督が解任されると、暫定監督として瞬く間にチームを蘇らせ、UEFAチャンピオンズリーグ、ブンデスリーガ、DFBポカールの三冠制覇に導いた。21年EURO後からドイツ代表を率いている。




ドイツの概要

ドイツ連邦共和国
人口:約8,319万人(2020年9月、独連邦統計庁)
面積:35.7万平方キロメートル
首都:ベルリン
言語:ドイツ語

 日本の総人口は約1億2507万人(2022年5月、総務省)、面積は約37万8,000平方キロメートル。

(参照:外務省公式サイト)




ドイツ代表チームの歴史

2014年W杯でチームを優勝に導きトロフィーを掲げるヨアヒム・レーヴ監督【写真:Getty Images】


 1990年以前の西ドイツ時代を含めて、これまでW杯に19回出場し、歴代2位タイの優勝4回(1954、74、90、2014年)を誇る。準優勝も4回(1966、82、86、2002年)を数えるなど伝統的に勝負強く、試合終了のホイッスルが鳴るまで諦めずに戦い抜く姿は「ゲルマン魂」と呼ばれる。

 近年のドイツ代表の土台は、06年に就任したヨアヒム・レーヴ監督の下で築かれ、攻守に組織力を強化したチームは14年W杯優勝で一つの成果を手にした。だが18年の前回大会では一転、1勝2敗でまさかのグループリーグ敗退。さらに昨夏のEUROでもベスト16で姿を消し、15年に及んだレーヴ体制は失意とともに幕を下ろした。

 後任としてレーヴの右腕だったフリック監督が就任すると、チームは勢いを取り戻す。今回のW杯欧州予選では9勝1敗、36得点4失点と圧倒的な力を見せて首位通過を果たしている。




ドイツ代表の歴代の名選手

 欧州屈指の伝統国だけに枚挙にいとまがないが、ドイツの象徴と言えばやはりフランツ・ベッケンバウアーだろう。最後尾から攻撃参加するリベロのポジションを確立し、抜群のリーダーシップでチームを統率する姿から「皇帝(カイザー)」の異名を取った。選手として1974年西ドイツW杯で優勝、監督としても90年イタリアW杯を制している。

 ベッケンバウアーとともに74年W杯制覇に貢献したのが、「爆撃機」と呼ばれたFWゲルト・ミュラーだ。圧倒的な得点力を誇り、代表やバイエルン・ミュンヘンでゴールを量産。昨年8月に75歳で他界し、世界中が伝説的ストライカーとの別れを惜しんだ。

 ドイツ代表として歴代最多の150試合出場、W杯にも1982年大会から史上最多タイの通算5回出場するなど数々の記録を打ち立てているのがローター・マテウス。“闘将”として90年W杯優勝に貢献するなど輝かしいキャリアを誇る。一方で指導者としては目立った成績を残せず、近年は辛口の解説者としてメディアを賑わせている。

 そしてW杯を語る上で欠かせないのが、2002年から4大会連続で出場したFWミロスラフ・クローゼだろう。日韓W杯で7試合5得点をマークすると、母国開催の06年W杯で5ゴールを奪い得点王に輝く。10年南アフリカ大会でも4ゴール、さらに14年ブラジル大会でも2ゴールを上積みし、16ゴールでW杯通算最多得点者として歴史にその名を刻んでいる。




ドイツと日本サッカーとの関係

「日本サッカーの父」と呼ばれたデットマール・クラマー(撮影は2010年)【写真:Getty Images】


 日本サッカーの歴史を振り返る上で、ドイツは最も大きな影響を与えた国と言える。1964年東京五輪に向けて、後に「日本サッカーの父」と呼ばれたデットマール・クラマーを招聘。その指導法やアドバイスは当時の日本のサッカー関係者にとってピッチ内外で貴重な学びとなり、68年メキシコ五輪の銅メダル獲得や、93年のJリーグ発足にもつながった。

 日本人選手の欧州挑戦においても、ドイツ・ブンデスリーガは最も結びつきの強いリーグだ。77年に日本人として初めて奥寺康彦が参戦すると、ケルンでいきなり優勝を経験。近年の“日本人ブーム”の流れを作ったのは、2010年にドルトムントへ移籍した当時21歳の香川真司で、リーグ連覇に貢献する輝きを放った。今季も1部リーグでは9選手がプレー。38歳の長谷部誠(フランクフルト)はドイツで16シーズン目を戦っており、今後は指導者としての活躍も期待される。

 一方、Jリーグではこれまで14人のドイツ国籍の選手がプレーしてきた(参照:Jリーグ公式サイト)。開幕1年目の93年には名ドリブラーとして知られ、90年W杯優勝メンバーでもあるピエール・リトバルスキー(元ジェフユナイテッド市原/現・千葉)が来日。同じ市原に加入したFWフランク・オルデネビッツは、翌94年に40試合30ゴールでJリーグ得点王に輝いている。

 浦和レッズもJリーグ発足当時はドイツ人選手を積極的に補強しており、94年には90年W杯優勝メンバーのギド・ブッフバルトとウーベ・バインを獲得。下位に低迷していたチームを上位に引き上げ、後にブッフバルトは監督として浦和に帰還し、2006年にJリーグ優勝の栄冠を手にしている。

 近年来日した大物と言えば、17年から3シーズン、ヴィッセル神戸に在籍したルーカス・ポドルスキだ。14年W杯優勝を経験している左利きのストライカーは、Jリーグでもその実力を遺憾なく発揮。またキャプテンを務めるなどピッチ内外で影響力を発揮し、クラブ史上初の天皇杯優勝を置き土産にチームを去った。




ドイツ代表と日本代表の過去の対戦

 日本がドイツと国際Aマッチで対戦したのは、長い歴史の中でジーコジャパン時代のテストマッチ2試合のみ(参照:『The Yearbook of JFA 2021』)。1度目は2004年12月16日、横浜国際総合競技場(日産スタジアム)で激突し、0-3と完敗。同年夏にアジアカップを制覇していた日本だったが、ミロスラフ・クローゼに2得点、ミヒャエル・バラックにもゴールを奪われ世界の壁を痛感した。

 2度目はドイツW杯直前の06年5月30日。レバークーゼンで行われた一戦は、自国開催のW杯に向けて調整を進めるドイツの隙を突くように、FW高原直泰が後半に鮮やかな2ゴールを叩き込む。これで目を覚ましたドイツに、その後2点を返され2-2の引き分けに終わったものの、日本が開催国を驚かせる出色のパフォーマンスを見せた。



※1ユーロ=144円で計算

(THE ANSWER編集部)


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