体重超過のボクシング王者、意地の1時間-1kgに会場騒然 本人「落とせると思ってた」
ボクシングの東洋太平洋フライ級(50.8キロ以下)タイトルマッチが25日、東京・後楽園ホールで行われる。24日は都内で前日計量が実施され、王者ジーメル・マグラモ(フィリピン)が1度目に51.7キロで0.9キロの体重超過。再計量は1時間強で落とし切り、50.7キロでパスした。挑戦者の同級14位・桑原拓(大橋)はリミット50.8キロで一発クリアした。28歳のマグラモは26勝(21KO)2敗、27歳の桑原は10勝(6KO)1敗。
東洋太平洋フライ級タイトルマッチ
ボクシングの東洋太平洋フライ級(50.8キロ以下)タイトルマッチが25日、東京・後楽園ホールで行われる。24日は都内で前日計量が実施され、王者ジーメル・マグラモ(フィリピン)が1度目に51.7キロで0.9キロの体重超過。再計量は1時間強で落とし切り、50.7キロでパスした。挑戦者の同級14位・桑原拓(大橋)はリミット50.8キロで一発クリアした。28歳のマグラモは26勝(21KO)2敗、27歳の桑原は10勝(6KO)1敗。
意地で落とし切った。マグラモは1度目に900gオーバー。2時間の猶予が与えられた。この間は何度でも再計量できる。後楽園ホールの通路で猛然と動き回って汗を出し、わずか1時間ちょっとで会場に戻ってきた。呼吸を整え、まるで卵の上に乗るかのようにそっと計量台へ足を伸ばした。
絞った体から2時間以内に900グラムを落とすのは難しい。桑原陣営の大橋秀行会長も上限52.8キロの当日計量(25日午後6時)を想定していた。しかし、王者は1時間強で1キロも落とす急ピッチ調整。リミットの0.1キロアンダーが宣告されると、報道陣らは「おぉ!」と騒然とした。一方、もともと余裕があったからなのか、本人は「大丈夫。落とせると思っていた」と笑顔で吹き出る汗を拭った。
マグラモの再計量前に取材に応じた桑原は、「2時間で900グラムは厳しいけど、気にしていない」と語っていたが、無事にタイトルマッチが成立。自身は計量からいつも5キロ前後の増量で試合を迎える。雑炊、うどんでリカバリーする予定で「それが楽しみで減量しました」と笑った。
昨年7月、日本同級王者ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)に10回TKO負け。今年3月に再起戦で勝利を収め、7月に2連勝を飾った。2度目のタイトル挑戦となる。「やることは変わらない。ここ最近は倒すのが早すぎるくらいだった。試合で試したかったことがあるのは本音。いい倒し方、いい勝ち方ができるようにしたい」と勝利を誓った。
(THE ANSWER編集部)