エース依存からの脱却と2つの“シェア” 開幕2連勝のB1群馬、新任HCが仕掛ける変革
バスケットボールのB1リーグに昇格して2シーズン目の群馬クレインサンダーズは、滋賀レイクスとの開幕シリーズを連勝で終えた。昨季の群馬は25勝30敗で、昇格チームとしては史上最高の勝率を記録した。今季は水野宏太ヘッドコーチ(HC)が就任し、日本人屈指のポイントガード(PG)並里成を獲得するなど、“さらに上”を目指す姿勢を示している。
B1リーグが開幕、水野宏太HC率いる昇格2年目の群馬が好発進
バスケットボールのB1リーグに昇格して2シーズン目の群馬クレインサンダーズは、滋賀レイクスとの開幕シリーズを連勝で終えた。昨季の群馬は25勝30敗で、昇格チームとしては史上最高の勝率を記録した。今季は水野宏太ヘッドコーチ(HC)が就任し、日本人屈指のポイントガード(PG)並里成を獲得するなど、“さらに上”を目指す姿勢を示している。
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群馬は2019年のオーナーチェンジ、21年に発表された太田市へのホームタウン移転、23年春に完成する新アリーナの建設と、相当なスピード感で進化しているクラブだ。取材で訪れた太田市運動公園は、複数の催し物が用意され飲食店も豊富で、試合前から活気に満ちていた。ホーム移転2シーズン目にして、地元へ一気に浸透している様子を感じ取れた。
活気はコート内も同様だ。92-71で快勝した2日の滋賀戦は、ベンチ入りした10人全員が10分以上のプレータイムを得ている。キーマンの並里を負傷で欠くなかで、菅原暉と五十嵐圭のPG陣がきっちり試合を作っていた。
昨シーズンの群馬は主役と脇役がはっきり分かれていて、トレイ・ジョーンズやマイケル・パーカーといった主力は1試合平均で30分以上の出場時間を記録していた。しかし2日の試合は、2人とも26分台にとどまっている。
40歳の新指揮官、水野HCは試合後にこう述べていた。
「昨日よりもしっかりプレータイムをシェアできて、すべての選手が得点につながるプレーをした。後半は13アシストで、ターンオーバーが3つです。ターンオーバーを大事な20分間で3つに抑えて、チームとしてのバスケットができたことを嬉しく思っています」
水野HCが口にするのは“文化”の構築だ。
「文化とは、ただ強いチームであればいいということではありません。この地域の皆さんにしっかり応援してもらえる、応援したくなる、一緒に戦いたいと感じてもらえるチームになるべきだと思っています。各々が自発的に、当事者意識を持って、一つひとつの試合に諦めず臨む。そのような姿が皆さんの心に響くはずです」
選手が入れ替わってもスタンダードの落ちない状態こそが、コート内の“良い文化”だろう。
「この2試合は“自分たちが作りたい文化”への第一歩です。もちろん勝敗はすごく大事ですが、2日目に1日目よりも良いゲームができたのは、大きな進歩でした」