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走り幅跳び・秦澄美鈴が涙「悔しくて仕方ない」 夢の世界陸上、届かなかった決勝の舞台

オレゴン世界陸上が23日(日本時間24日)、米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで第9日が行われた。女子走り幅跳び予選では、26歳の日本選手権女王・秦澄美鈴(シバタ工業)が2本目に6メートル39(追い風0.4メートル)。日本人6大会ぶり4人目の出場で予選敗退に終わり、悔し泣きした。

世界陸上、女子走り幅跳び予選で敗退した秦澄美鈴【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
世界陸上、女子走り幅跳び予選で敗退した秦澄美鈴【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

オレゴン世界陸上

 オレゴン世界陸上が23日(日本時間24日)、米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで第9日が行われた。女子走り幅跳び予選では、26歳の日本選手権女王・秦澄美鈴(シバタ工業)が2本目に6メートル39(追い風0.4メートル)。日本人6大会ぶり4人目の出場で予選敗退に終わり、悔し泣きした。

 世界はやっぱりハイレベルだった。秦が夢に描いた舞台。1本目はファウルに終わり、2本目は6メートル39を跳んだ。3本目は6メートル38(追い風1.6メートル)にとどまり、全体20番手で終戦。上位12人による決勝に進めなかった。決勝進出ラインは6メートル64。自己ベストより1センチ下回っただけに、不可能ではないボーダーだった。

 取材エリアに現れた時点でポロポロとこぼれ落ちた涙。マスクで拭いながら言葉を繋いだ。

「調子はいいので入りはよかった。1本目のファウルは想定内。でも、あと2本しかないというところで、できるだけ高い数字を出さないといけないというふうに意識を持っていかれた。(3本目は)いつもならやらない踏み切りのミスをした。悔しくてしかたないです。この舞台で結果を残したい。しっかり、もっともっと準備をしている人が勝つんだなと思いました」

 大阪・八尾市出身で、169センチの長身。16歳から陸上を始め、走り高跳びでインハイに出場すると、大学で走り幅跳びに取り組み始めた。本格転向後は19年に6メートル45をマーク。同年日本選手権で初優勝を遂げると、昨年4月に6メートル65(追い風1.1メートル)で自己ベストを一気に20センチ更新した。東京五輪は出られなかったが、世界の舞台を諦めずに戦ってきた。

 6月の日本選手権は、6メートル43(向かい風2.5メートル)で2年連続3度目の優勝を果たした。参加標準記録6メートル82には届かなかったものの、世界ランクで代表入り。国内では6本の試技で争うことが多く、6本のうち1本で記録を狙うやり方をしてきた。「それがダメだと思ったのが日本選手権。3本で結果を残すためにどうするか考えてきた」と対策してきた。

 しかし、夢の舞台で及ばず「まだそういうプレッシャーを感じたことがなかったので経験不足だと思う」と唇を噛んだ。「調子としては6メートル60は行ける感じがあったけど、調子だけじゃない。いろんな外的要因があった」と猛省した。

「3本で結果を残さないといけない大切さが身に沁みた。国内で1本に集中することを改めてやっていきたい。あとは根本的な底上げをしないと。踏み切りに関しては自分の踏み切りができれば通用する。世界の人は助走が速くて突っ走る感じ。私は海外選手ほど速くない。なかなか今回は自分の踏み切りができなかった。もっともっと考えてやりたい」

 国内大会から出直しへ。課題を大きく跳び越して戻ってくる。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)


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