井上尚弥「早く練習したい」 衝撃264秒TKOから一夜明け会見「まだ強くなりますよ」
ボクシングのWBAスーパー&IBF&WBC世界バンタム級3団体統一王者・井上尚弥(大橋)が8日、ノニト・ドネア(フィリピン)との3団体統一戦から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜はさいたまスーパーアリーナで2回1分24秒TKO勝ちし、日本人初の3団体王座統一に成功。ファンを熱狂させた試合を振り返り、アジア人初の4団体統一の偉業を見据えた。
井上尚弥が一夜明け会見
ボクシングのWBAスーパー&IBF&WBC世界バンタム級3団体統一王者・井上尚弥(大橋)が8日、ノニト・ドネア(フィリピン)との3団体統一戦から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜はさいたまスーパーアリーナで2回1分24秒TKO勝ちし、日本人初の3団体王座統一に成功。ファンを熱狂させた試合を振り返り、アジア人初の4団体統一の偉業を見据えた。
衝撃の圧勝劇から一夜、井上が想いを語った。傷一つない爽やかな顔で会見。試合後は映像を見返すなどして過ごしたが、今何をしたいか問われると「練習がしたいですね。まぁ休みたいのと半々です。本当に練習したい気持ちもあるし、次へのモチベーションも高いし、この感覚のまま練習に入りたい。今日からでも練習再開は可能な体」と笑った。
試合は初回のゴング直後、ドネアの左フックを右目付近に受けてスイッチオン。終了間際に右クロスをテンプルにぶち込み、最初のダウンを奪った。2回には強烈な左フックを当て、ロープ際で猛攻。反撃を試みる相手に再び左フックを入れ、ぐらりと膝を折らせた。連打でコーナーに追いつめ、とどめの一発も左フック。2度目のダウンを奪い、ライバルを大の字に倒し切った。
「100点をつけられる内容。初回にダウンを奪った右は流れで出たパンチ。2回はドネアのカウンターに気をつけながら冷静にいけた。常々、父に行き急ぐな、打ち終わりに気をつけろと言われていた。昨日の映像を見ても凄く気をつけながらできていた。練習で染みついていたものを出せた」
2019年11月7日のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝以来、2年7か月ぶりの再戦。陣営の大橋秀行会長や父・真吾トレーナーは、試合1か月ほど前から抱えていた軽度の故障を心配していた。しかし、蓋を開ければモンスターの完勝。世界に衝撃を走らせる内容だった。
「今回はベストバウトだった。それだけ動きもよかった。体力的にも、精神的にもダメージを負わずにやれた。イメージを消さないように早く練習をやりたい」
世界で過去8人、アジア人では初の主要4団体統一まであと1つ。ターゲットはドネアと同じ興行会社「プロベラム」に所属するWBO王者ポール・バトラー(英国)だ。年内開催を目指すが、難航すれば1階級上のスーパーバンタム級のベルトを狙う方針。同級にはWBAスーパー&IBF王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、WBC&WBO王者スティーブン・フルトン(米国)の両統一王者が君臨している。
井上はひとまず休養に入り、状態を見ながら練習を再開する。「このバンタム級で本当のNo.1を目指したい。階級を早く上げろという人もいるけど、自分の価値を上げてスーパーバンタム級に上がりたい。自分の価値を高める。バンタム級統一を第一目標にしたい。まだ強くなりますよ。ピークではない」と力強かった。
(THE ANSWER編集部)