「23歳コンビ」が大一番で14得点と躍動 Bリーグ王者・千葉撃破に見えた宇都宮の底力
若手がチームの特長である守備の強さを継承
ただし、加入直後から今のような活躍を見せていたわけではない。 昨シーズンの出場は全8試合の合計でも、わずか25分49秒。今季は50試合に出場したものの、平均出場時間は9分49秒にとどまっている。
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安齋HCはこう説明する。
「僕が(試合に)出す基準はオフェンスよりディフェンスです。そのレベルに達して、こういう状況でも本人のプレーがしっかり出せるようになれば、プレータイムは与えられます」
荒谷はシーズンを通して宇都宮の強度に追いつき、アシスタントコーチとのワークアウトも積み、実力を少しずつ蓄えていた。
15日の第2戦は、23歳のテーブス海がラッキーボーイになった。彼は将来を嘱望されるポイントガードだが、現状は鵤誠司や比江島慎、遠藤祐亮に次ぐ控えのガードだ。しかし準決勝進出を決める大一番では、25分25秒の出場で14得点4アシスト6リバウンドを記録している。
CSのような大舞台では、お互いが強みを消し合う展開になる。どうしても伏兵の活躍が決め手になりやすいのだが、宇都宮はそこで千葉を上回った。
どんなチームにも人の入れ替わり、世代交代はある。宇都宮はロシターとギブスがチームを去り、大ベテランの田臥勇太も準々決勝の2試合はプレータイムがなかった。そんななかで若手がスタンダードに追いつき、セカンドユニットからチームの決め手となる働きを見せた。彼らの強さは、新戦力を一段上に引き上げるチームカルチャーなのだろう。
(大島 和人 / Kazuto Oshima)