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“密着マーク”で相手司令塔を封殺 バスケ三河の23歳エース、CS圏内死守へ圧巻プレー

バスケットボール・Bリーグの2021-22レギュラーシーズンも、いよいよ残り3節となった。チャンピオンシップ(CS)の出場権も8チーム中7チームが決まり、残り1枠を懸けた争いが熾烈を極めている。

シーホース三河の若きエース西田優大【写真:SeaHorses MIKAWA co.,LTD.】
シーホース三河の若きエース西田優大【写真:SeaHorses MIKAWA co.,LTD.】

三河が信州に勝利し連敗回避、若きエースの西田優大が攻守に躍動

 バスケットボール・Bリーグの2021-22レギュラーシーズンも、いよいよ残り3節となった。チャンピオンシップ(CS)の出場権も8チーム中7チームが決まり、残り1枠を懸けた争いが熾烈を極めている。

 4月16日と17日の秋田ノーザンハピネッツとのCS行きを懸けた直接対決で2連勝して8位(ワイルドカード2位)に浮上したシーホース三河は、20日に行われた大阪エヴェッサ戦も勝利してCS圏内をキープ(勝率.578)。それを秋田(.574)、サンロッカーズ渋谷(.540)が僅差で追いかける状況で、23日と24日の第33節・信州ブレイブウォリアーズ戦を迎えた。

 連勝を伸ばし、一気にCS出場マジックを減らしたい三河だったが、23日の信州との第1戦で大失速。開始から約6分間にわたり得点を奪えず、第1クォーターの10分間でわずか5得点にとどまると、最後まで立て直すことができず、68-86で完敗した。

「お互いシュートが入らず、相手のペースに付き合ったままズルズルズルズルいってしまった。何をすれば改善できるんだろうというのが、試合中には見つからずって感じでした。秋田戦にすごく照準を合わせたところもあって、秋田に連勝できて8位になって、ホッとした部分も正直ありました」(西田優大)

 秋田も第1戦を落としたため、三河は辛くもワイルドカード2位の座を守ったが、SR渋谷が勝利したため勝率差はさらに縮まった。これ以上負けが許されない状況で迎えた第2戦。23歳のエース・西田が、立ち上がりから果敢にドライブで仕掛けた。

「昨日の前半で良いアタックができた部分があった。そこで打開できるというのも昨日見えたので、積極的に行きました」

 第1クォーターで9得点を挙げた西田の気迫に引っ張られた三河は、前半から全員がエナジー全開で戦い、最大13点のリードを奪う。信州の反撃に遭って一度は逆転を許したが、終盤に抜け出して81-72で雪辱を果たした。

 ゲーム序盤の積極性に加え、勝負の分岐点になったのは、最終クォーターのオフィシャルタイムアウト明け。信州のオフェンスの起点となっていた熊谷航のマークを長野誠史から西田へ変更した決断だった。それまで15得点6アシストを記録していた信州の司令塔を、西田は約5分間にわたり得点もアシストもシャットアウト。信州の攻撃を停滞させた。

「長野選手が(ファウル)4つになったことと、熊谷選手はもともとオフェンス能力があり、あれくらい(平均2桁以上)の点数を取れる選手。しかも今日は劣勢になると必ず彼が仕掛けてきていたので、ディフェンスのいい西田選手をつけた。よく守ったと思います」

 昨季まで三河でプレーした熊谷の能力の高さを熟知していた鈴木貴美一ヘッドコーチは、役割を遂行した西田を手放しで称えた。

 前半、西田が信州の日本人エース・岡田侑大を激しいディフェンスで封じて乗せなかったことも、のちのち効いた。高校時代から仲が良く、“永遠のライバル”と評する岡田とのマッチアップについて、「昨日やらせてしまったところがあったので、今日は気合を入れてディフェンスを頑張りました。フィジカルのところでは自分のほうが優っているなと思っているので、(良いディフェンスが)できたと思います」と笑顔で振り返った。

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山田 智子

愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。

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