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内村航平、早くも始まった新たな挑戦 「経験の伝承」を軸にした育成と体操の価値向上

引退イベントで花束を受け取った内村【写真:高橋学】
引退イベントで花束を受け取った内村【写真:高橋学】

会見で語った“裏方視点”の言葉「お金の話はあまりしたくないけど…」

 この日のような体操イベント開催もその一つだ。6500人の観客を集めた今大会。演出にも携わった。照明、客席最前列から2メートルもない距離の器具の配置など今までにない大会に。自身の演技を1枚の写真で切り取り、細かな技術を説明した。「体操オタクとして喋りました。伝わるのかなと思っていたけど、ルーティン(のポーズ)は客席でみんながやっていたので流行るかなと思いました。やってよかったです」と手応えを得た。

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 課題は多い。だからこそ、やりがいがある。今までだって一つ一つ乗り越えてきた。会見では今後の壁に言及。“裏方視点”の言葉はすでに熱を帯びていた。

「まずは演出のある大会がないので、今回がきっかけになればいい。お客さんに体育館レベルの視点で見てもらいたい。それでまた新しい体操の魅力を知ってもらって、体操のリピーターになってくれるのかなと。ただ、毎回こんなことをするのは難しいので、大きな企業に目をつけてもらうのが一番近道かなと思います。

 お金の話はあまりしたくないけど、これだけのことをやるにはお金がないとできない。いろんな人たちに『体操っていいよね』『お金を出しても大丈夫』と思ってもらわないといけない。そのために魅力を伝える。今日やってみてアイディアはあるので、今後に落とし込んでアップデートできれば」

 何よりも大切なのは選手の存在だ。未来を担い、今後自身とともに体操界を盛り上げていくであろう子どもたちへの助言も忘れなかった。

「子どものうちは(理想を)体現してくれる人の真似をするのが大事。僕も小さい時は代表選手を真似してきた。ああいうふうになりたいと思うことが大事かなと。何でもいいので真似することが一番の近道です」

 原動力は「体操が好き」という想い一つだった。駆け抜けた30年。キングはノンストップだ。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)


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