B1最長19連勝、琉球に漂い始めた初制覇の予感 「大一番で勝つチーム」へ脱皮なるか
個人技に優れた琉球のオフェンス力はB1随一
琉球も人材は豊富だ。特にクリエイトできる、個人技でズレを作れるタイプが多い。さらにジャック・クーリー、小寺ハミルトンゲイリーの両インサイドはパワフルで、しかもクレバー。オフェンスの切り札は、B1でも図抜けて強力だ。
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今村もそんな切り札の1人で、2月末のワールドカップ予選では日本代表として沖縄アリーナのコートにも立った。彼はこう口にする。
「去年のチームに引き続きディフェンスのインテンシティと堅さが長所ですけど、今シーズンはコー・フリッピンやアレン・ダーラムの加入で誰が出ても、活躍する選手が変わったとしても、同じようなバスケットボールを展開できます。チャンスをクリエイトする選手が本当に増えたことが、去年と違う結果を生んでいる一つの要因かなと思います」
そして続く連戦に向けて、こう意気込みを語る。
「広島戦や島根戦に向けて何かを変える必要はないと思っていて。これまで築き上げたものが確実に自分たちの力にはなっています。ただ今日の試合の反省点もそうですけど、力でねじ伏せてしまおう、個人で打開しようとしすぎてしまうのが今のチームの少し悪いところとしてある。ボールをシェアして、どこからでもクリエイトできる、どこからでもスコアできるのが自分たちの本当の強さです。そこにフォーカスすることが大事だと思います」
琉球は当然ながらチャンピオンの資格を備えているクラブの一つだ。東西のレベル差が消えた2021-22シーズンに、これだけの勝ち星を挙げているのだから“リーグ戦で強いチーム”でもある。しかし彼らは4シーズン連続で西地区を制しつつ、3年連続でセミファイナル敗退にとどまっていて、B1制覇をまだ一度も経験していない。
今季の琉球にはさらに上を目指す勢い、気配がある。B1最強のベースを持つチームが、状況判断を身につけて「大一番で勝てるチーム」へと脱皮しつつある。彼らは19連勝の中でもプロセスを追求し、学び続けている。
(大島 和人 / Kazuto Oshima)