「完璧なポイントガード」と指揮官も称賛 名古屋D・齋藤拓実が見せる確かな成長
次戦のA東京戦は「自分たちの真価が問われる試合」
齋藤は試合後にこう述べていた。
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「上手く選手同士、コーチとコミュニケーションを取って、タフな時間帯をしっかり乗り越えて勝てたのはすごく良かった」
終盤のオフェンスについては、こう説明する。
「スイッチしてきたところはアドバンテージを使って上手く攻められたし、アタックして相手にファウルをさせるところも出せた。ゲーム1、ゲーム2を通して相手がどういうディフェンスをしてくるのかをしっかり見極められた」
名古屋Dの得点力について尋ねると、彼はディフェンスの話を始めた。
「去年も梶山(信吾)さんがHCをやって、トランジションからの速いバスケットを目指していたと思うんですけど、一番の違いはディフェンスです。前線からプレッシャーをかけたり、トラップからのローテーションをしたりして、相手のやりたいオフェンスを、やりたいペースでやらせていません。打ちたいショットでないショットを打たせて、そこからのリバウンドでポゼッションの回数が増えている。あとオフェンスリバウンドも、最初に比べて上回っています」
今季の名古屋Dは、自分たちから仕掛けるアグレッシブな守備を見せている。加えてオフェンスリバウンドの意識もチームに浸透しつつある。スティールやターンオーバーからの速攻、リバウンドからのセカンドチャンスが増えれば、攻撃のテンポは上がる。そのようなサイクルが、これだけの得点力を呼んでいる。
名古屋Dはプレータイムをシェアするチームで、齋藤はチーム内の日本人選手で最長にもかかわらず、平均出場時間が23.1分。ただ、その中でも平均11.5得点、5.9アシストを記録し、3ポイントシュートの成功率も42.9%と高水準だ。
26日に対戦するアルバルク東京は、齋藤が2018-19シーズンまで在籍していた古巣。昨年11月27日のワールドカップ予選(中国戦)で日本代表デビューも果たした彼だが、A東京時代は安藤誓哉と小島元基の壁を越えられず、なかなか出番を得られなかった。
しかし齋藤もチームも、明らかな成長を見せている。
「(今季の名古屋Dは)東地区の上位チームと、まだそんなに対戦できていません。僕らは開幕の頃に比べて、チームの出来上がりが徐々に良くなってきている。たぶん、それは東京も同じことで、今10連勝していますけど、個人としてそういうチームとやるのはすごい楽しみです。自分たちの真価が問われる試合です」
(大島 和人 / Kazuto Oshima)