子供たちの「ヒーロー」であり続けるために B1三河の角野亮伍が招待シートに込めた想い
「嬉しいですね、めっちゃ。男の子が多いかなと思ってたんですけど、今回は4人とも女の子だったですね」
ホームゲームに子供たちを招待する「角野シート」を新設
「嬉しいですね、めっちゃ。男の子が多いかなと思ってたんですけど、今回は4人とも女の子だったですね」
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お礼のメッセージに一通一通ゆっくりと目を通す横顔が、みるみる和らいでいく。
「綺麗な字で書いてくれている。嬉しいですね、めっちゃ」
バスケットボールのB1シーホース三河に所属する角野亮伍が、子供たちにBリーグ観戦の機会を提供する「角野シート」を12月18日のシーホース三河-宇都宮ブレックスからスタートさせた。角野の名前にちなみ、アリーナ全体を見渡せる「角(コーナー)」の席を用意。土曜日開催のホームゲーム全10試合において、社会福祉協議会、児童養護施設やひとり親家庭の子供たち、バスケットボール競技関係の各団体を通じて、様々な理由でバスケ観戦ができない子供たちを招待する。
「バスケって、映像で見ているのと、生で見るのでは全然違うじゃないですか。選手とすれ違うだけでもこんなにデカいのかとか、こんなに筋肉あるんだとか、なんでもいいんですよ。バスケを始めてもらおうとか、バスケをやってる子にプロを目指してもらおうとか、そんな大それたことは思い描いてなくて、例えばルーズボールに飛び込む姿とか、一生懸命走っている姿とかを見て、何かを感じて、ちょっとでも頑張ろうと思ってくれる人がいたらいいなと漠然と思って。今はコロナ禍で直接指導することが難しいので、今、僕らに何ができるかって言ったら試合見てもらうことしかできないと考えて、スタッフに相談して実現しました」
スタッフの記憶によると、角野が相談をもちかけたのはシーズンが始まってすぐの頃。ホームゲーム後のサイン会で初めて三河のファン・ブースターと交流した日の翌日だったという。早速プロジェクトが始動し、準備を重ね、ようやく宇都宮戦に4組の子供たちを迎えた。
三河のファンとの交流やアメリカで過ごした大学時代の経験から、角野は新たな活動に踏み出した。
「僕らの大学では、小学校や障害者施設に行くことがあって。『ダンクして』って言われて見せたらすごく喜んでくれたりとか、(社会貢献活動をすることは)すごく身近だったので、日本でもやっていきたいと思っていました。アメリカから帰ってきた選手は少ないので、僕が肌で感じたことを導入できたらと考えていました」