井上尚弥「本当なら昨日4団体統一だった」 2団体統一から2年間のバンタム戦線に嘆き
ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)が15日、王座防衛から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・両国国技館でWBA10位&IBF5位アラン・ディパエン(タイ)に8回2分34秒TKO勝ち。「本当だったら昨日が4団体統一だった」と嘆いた。
防衛戦から一夜明け会見
ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)が15日、王座防衛から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・両国国技館でWBA10位&IBF5位アラン・ディパエン(タイ)に8回2分34秒TKO勝ち。「本当だったら昨日が4団体統一だった」と嘆いた。
ボクシングはWBA、WBC、IBF、WBOの主要4団体が存在する。井上は日本人初、世界でも7人しかいない全てのベルトを統一することを目標にしてきた。2018、19年には階級最強を決めるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)に出場。井上が優勝し、2団体統一王者になったが、WBC王者の不参加、WBO王者の途中離脱で4つは集まらなかった。
20年4月にWBO王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)との統一戦を発表。しかし、コロナ禍に見舞われ、度重なる延期の末にファイトマネーに折り合いがつかないなど破談となった。指名挑戦者やランカーとの試合で2度防衛を重ねる中、カシメロは今年8月にWBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)との統一戦を行うと発表した。
しかし、カシメロがドーピング検査の拒否を示唆したことなどをきっかけに、ドネアが試合をキャンセル。WBCとWBOが統一されることはなく、ドネアは今月11日に初防衛戦に臨み、勝利を収めた。一方、カシメロは同日に防衛戦を予定していたが、今度は前日計量に臨むことができず。海外メディアには減量苦とウイルス性胃腸炎だと報じられた。
井上自身、ボクシングにおけるマッチメイクがどれほど難しいことなのか理解しており、それを何度も繰り返し言葉にしてきた。この日は直接的に他団体王者の名前には触れなかったが、適正階級がどの階級なのかという話題になると「本当だったら昨日4団体統一だったんですよ(笑)。『何をやってんだ!』と」と苦笑いしながら言及。「8月に2人(ドネアとカシメロ)がやって12月に(自分と)。本当は終わっていたんですよ」と統一戦が実現しないことを嘆き、「いい加減にしてくださいって感じ(笑)」と冗談交じりに語った。
3つ目のベルトを手に入れるため、来春には今度こそ統一戦実現を目指す。標的はドネアかWBO王者。交渉がこじれた場合は1階級上に転向することも視野に入れ「来年の春と夏はバンタム級で行く覚悟がある。(スーパーバンタム級は)暮れですかね」と来年末に階級アップの可能性も示唆。5年ぶりの年間3試合を希望した。
(THE ANSWER編集部)