高3アマ・佐藤心結は「日本の宝になる」 V争いから一夜、プロテスト目前で師匠が断言
コーチが明かす本音「54ホールを首位で終えたのだから…」
佐藤は幼少期からサッカー、野球、陸上と他競技も経験し、運動能力と身体能力を高めてきた。圧倒的な飛距離の理由について、三觜コーチは「体のバネだけでなく、最大効率でクラブを振る技術を身につけているからです」と語る。
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大会中のパッティングについては「カップの淵を狙って1周させる練習の効果が出ました。つまり、カップ幅10センチを狙うのではなく、1つの線を狙うストロークです。大会中はカップの淵を狙えば入るラインにつく状況も多くありました。ライン読みは主に僕がやっていましたが、17番で4メートル残ったパーパットを決めるなど、本人も気持ちの強さを発揮しました」と説明した。
その実力を知るだけに、三觜コーチはスタンレーレディスの開幕前から「これがアマチュア最後の大会。優勝してプロテスト免除だ」と言い聞かせていた。
「『パー5は全てパー4のつもりで』と伝え、目標は3日間で15アンダーに設定。『それで負けたら仕方ない』と話していました。ラウンド中はミスをしても、『大丈夫。切り替えて』とポジティブな言葉で励まし、組の雰囲気も良くなるように、他の選手にも意識して『ナイス。素晴らしい』と声を掛け続けました」
戦いを終えて、三觜コーチも悔しさを感じていたが、同大会に出場していた教え子の辻梨恵、高木優奈が涙を流しながら、「ナイスゲーム。よくやった」と佐藤を励ましていたことが何よりうれしかったという。
「心結を含めてこの3人は、僕がゼロからゴルフを教えてきました。スクールでは、『あいさつをする』『迷惑をかけない』『親とコーチの言うことは聞く』『安全の確認、コースの保護』をずっと言い聞かせてきましたが、それらをちゃんと守って、ゴルファーとしてだけでなく、人としても成長したと感じました」
もっとも、佐藤については少しの心配がある。「大会3日間の54ホールを首位で終えたのだから、『プロテスト免除を認めてほしい』が本音です。いくら力があっても、テストでは何が起きるか分からないし、2次の通過は上位20人程度で、最終も20位タイまでが合格ラインの狭き門ですから、心配は心配です」。
ただ、佐藤は渋野にも「肝が据わっている」と言わしめており、三觜コーチは「本人は樋口さんの言葉を含めて全てを前向きに捉えていますから、まあ、大丈夫でしょう」とも言った。いずれにせよ、2次予選、11月の最終プロテストも含めて、佐藤は注目の存在になりそうだ。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)