坂本に逆転メダルも? 気負いなく自然体 宮原は「3Lz-3T」成功…公式練習レポート
坂本は気負いなく自然体…曲かけもほぼノーミス、コーチと映像で修正箇所を確認
一方、SP首位のザギトワは気負った様子も見せず、練習開始早々から、3回転をポンポン跳んでみせるなど、調子の良さを見せていた。普段からあまり感情を表に出さないという15歳は、若さを存分に生かしたプログラム構成で、7つのジャンプを基礎点で1.1倍がつく後半に組み込んでおり、さらには最高難度の3回転ルッツ―3回転ループを跳んでくる。この日の曲かけでは、その武器の2つ目のループがオーバーターンするミスを見せたが、それ以外は完璧なジャンプを披露していた。
いずれにしても、このロシアの2選手が金メダルを争い、その戦いに敗れた者が銀メダルを手にする公算が大きいだろう。
そして、表彰台の最後の一角に立つのは、SP3位のケイトリン・オズモンド(カナダ)、同4位の宮原知子、同5位の坂本花織、同6位のカロリーナ・コストナー(イタリア)の4人での争いになるか。
一歩リードしているのは、SPで78.87点をマークしたオズモンドだが、フリーは苦手にしている面もあり、失敗することも多い。この日の公式練習でも、ジャンプにやや安定感を欠いていたのが気になった。ただ、フリー本番で勢いのある完璧な演技を見せたら、追いかける日本勢は太刀打ちできない可能性もある。
日本勢の中で、SPから終始リラックスした表情で練習中も試合中も笑顔をのぞかせ、自然体で大会を楽しんでいる様子が伺える坂本は、フリーの曲かけでもほぼノーミスの演技を見せていた。演技後は、中野コーチらと映像をじっくりとみて修正箇所をチェックする姿もあった。初出場の五輪舞台に気後れした感じもなく、いつもの試合と同じような雰囲気を出しているが、本番で坂本本来の勢いあるダイナミックな演技を披露してみせたら、大逆転劇となる銅メダルをつかみ取れるかもしれない。