【競泳】2020年東京五輪へ――萩野公介が受けた新たな刺激
子供たちに伝授したバサロキック
萩野本人は「子供たちの反応は『あ、いつもやってることだ!』と伝えられることが多くて、指導者の方々がいい指導をしているんだなと思いました」と謙遜したが、その指導は参加した小学生も新鮮だったようだ。「今まで知らなかった技術」について聞かれると、子供たちは目を輝かせてこう答えた。
「萩野選手から教えてもらったのはバサロキックです。足を蹴り上げて、浮き上がる瞬間に体全体が前に進むのは分かっていたんですけど、『足を下に持っていく時も体を進めることができるんだ』ということを教えてもらいました」
「蹴り上げるところを意識していた分だけ、水中で足を下に押しつけるという感覚はなかった。蹴り上げ、蹴り下げ両方をやることで進むというのが本当に面白かったです」
参加した子供たちがもっと向上できる部分をいち早く見つけ、努力できるポイントを指摘する。金メダリストがここまで熱心に指導した理由には、日本競泳界のボトムアップを心から願っているからこそだった。