桃田賢斗、全日本V3も反省 80分激闘で逆転「バタバタした」「自分の弱さ感じた」
第74回全日本総合バドミントン選手権大会は27日、東京・町田市立総合体育館で最終日が行われ、男子シングルスは桃田賢斗(NTT東日本)が2-1(18-21、21-12、21-17)の逆転で常山幹太(トナミ運輸)を破って3連覇を達成した。80分の激闘を制した桃田は「2ゲーム目、3ゲーム目は、とりあえず球を返そうと思いました。技術も戦術も関係なく、相手より1本でも多く返そうと思った結果、相手もだいぶ足に(疲労が)来ていましたし、最後は気持ちで勝つことができたと思います」と苦しんだ決勝戦を振り返った。
決勝で苦戦も常山幹太に2-1で勝利
第74回全日本総合バドミントン選手権大会は27日、東京・町田市立総合体育館で最終日が行われ、男子シングルスは桃田賢斗(NTT東日本)が2-1(18-21、21-12、21-17)の逆転で常山幹太(トナミ運輸)を破って3連覇を達成した。80分の激闘を制した桃田は「2ゲーム目、3ゲーム目は、とりあえず球を返そうと思いました。技術も戦術も関係なく、相手より1本でも多く返そうと思った結果、相手もだいぶ足に(疲労が)来ていましたし、最後は気持ちで勝つことができたと思います」と苦しんだ決勝戦を振り返った。
苦しい、苦しいゲームだった。桃田は1ゲーム目の終盤、リードを保ちたい気持ちからミスが続いた。18-15のリードから決めたはずのスマッシュが、映像による再判定で覆ると、焦りから得意のヘアピン(ネット前からネット前に打つ山なりのショット)や、上からネット前に落としていくドロップが相手コートに入らずに6連続失点でゲームを失った。
桃田は「1ゲーム目から足を動かすことができて、出だしから主導権を握って良い展開で進めたのに、1ゲームの終盤でリードした場面で焦った。そこの戦い方が、試合慣れをしていないというか、バタバタした。3点リードで余裕を持ってラリーをすれば良いのに、点数が(早く)欲しくて、ギリギリのところを狙って、チャレンジ(映像判定)で判定が覆るとか、戦い方が良くなかった」と反省を口にした。
それでも苦境から這い上がって勝利にたどり着くのが、桃田だ。コントロール力の差を見せつけるように、相手のミスを引き出して第2ゲームを取り返すと、ファイナルゲームでは終盤の競った場面から一気にギアチェンジ。相手の返球の落下点に素早いフットワークで入り込むと強打を連発。最後は18-17から3連続得点で試合を勝ち切った。敗れた常山が「最後、ギアを上げようとしても上がらなかったが、向こうは上げてきた」と認めた余力の差が目に見える形になった。
桃田にとって、今大会は長く待ちわびた復帰戦だった。昨年の世界選手権連覇を含めて主要国際大会11勝(後にギネス世界記録に認定)を挙げ、東京五輪の金メダル筆頭候補として注目を集めていたが、今年は試練が続いた。1月、今季初戦のマレーシアマスターズで優勝したが、決勝の翌日に現地で空港に向かう途中、交通事故に遭って負傷した。帰国後に練習を再開したが、シャトルが二重に見える症状が起き、右目眼窩底骨折が発覚。手術を行い、復帰が遅れた。