「考えるのが好きなので」 100m障害の元大学女王・田中佑美が手にした“確かな成長”
欲とリスクに揺れる胸中「欲を出したらもう少しいけたかも…」
「今まで私は考えるのが好きなので、レースも練習と同じようにポイントを絞って、2、3箇所の課題を考えていたんですけど、それをすることによって『それができるかできないか』に気がいきすぎていた。それができたら練習以上の力を発揮できるかもしれないけど、その分リスクが伴うと今回感じました」
本番では余計なことを意識せず、“無心”で走り抜けることが大事。今大会の予選は13秒35で組1着、準決勝は13秒57で組3着、全体7番手で決勝に進んだ。決勝の4位という結果には「時間が経ったらとても悔しいと思うけど、今回は本当に順位もタイムも何も考えず自分の走りだけと思っていました。欲を出したらもう少しいけたかもと思うけど、そういうふうに走ったらどこかでボロが出てしまうかもしれない。よくも悪くもこれが実力だと思います」と受け止めた。
4年間の大学生活の集大成として臨んだ舞台。それでも、競技人生を続く。「試合直前になって改善点を出さなくていいように、自分の出来る範囲をしっかり定めていく。それを実行できるように練習を積んで、『気づいたら4位』が『気づいたら1位』に変わっていってほしいなと思います」。確かな成長を手に、次の壁も懸命に飛び越えていく。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)