途中棄権の福士加代子は取材応じず 去就は未定、所属先監督「終わりは彼女が決める」
残り1枠の東京五輪代表切符を争う名古屋ウィメンズマラソンが8日、ナゴヤドーム発着の42.195キロで行われ、一山麻緒(ワコール)が2時間20分29秒で初優勝。1月の大阪国際で松田瑞生(ダイハツ)が記録した2時間21分47秒を上回り、東京五輪女子マラソン最後の代表に内定した。日本陸上界初の5大会連続五輪出場を目指していた福士加代子(ワコール)は30キロ過ぎに途中棄権した。
途中棄権で五輪5大会連続はならず、37歳の今後について永山監督「全く考えてない」
残り1枠の東京五輪代表切符を争う名古屋ウィメンズマラソンが8日、ナゴヤドーム発着の42.195キロで行われ、一山麻緒(ワコール)が2時間20分29秒で初優勝。1月の大阪国際で松田瑞生(ダイハツ)が記録した2時間21分47秒を上回り、東京五輪女子マラソン最後の代表に内定した。日本陸上界初の5大会連続五輪出場を目指していた福士加代子(ワコール)は30キロ過ぎに途中棄権した。
雨が降りしきる悪条件の中、スタートから先頭集団についた福士は後方で様子をうかがいながらレースを展開。しかし、30キロ地点は、一山麻緒(ワコール)ら先頭が1時間40分30秒に対し、福士は1時間47分19秒の22位だった。代表内定は絶望的な状況となったが、懸命に歩を進めた。ここから大きくペースを落とし、30キロ過ぎに途中棄権。一山のゴールから約1時間遅れでゴール地点には姿を現した。
一山と福士が所属するワコールの永山忠幸監督は、レース後に取材対応。一山をゴールで迎えるため、福士は自ら決断を下したという。「自分の判断でやめている。これは1枠を争うレースですから。それに届くかどうかでの判断だと思います。(1月の)大阪国際よりは状態をつくれていたと思いますけど、彼女の場合はレース環境がマッチしなかったのだと思います。スタート前までのコンディションはさほど問題ではなかった」と振り返った。
五輪4大会、世陸5大会に出場し、25日に38歳となる大ベテラン。東京五輪出場の夢が原動力だったが、14度目のフルマラソンはまさかの結末となった。それでも、後輩の一山が最後の切符を獲得。永山監督は福士の影響力の大きさを称えた。
「ここまで日本の陸上界を牽引してくれた。本人も5回目の五輪を目指しましたけど、ちゃんと自分の後輩が5回目(の五輪)につないでくれた。彼女の存在が大きかったですし、彼女のトラックのスピードとか、マラソン練習の成功、失敗例が私の中の(指導者としての)スキルアップにつながった。一山の努力はさることながら、チーム全体で勝ち取った優勝だと思います」