23年W杯8強打破へ「心配を申し上げると…」 ジョセフHCが挙げた2つの“桜の課題”
日本ラグビーフットボール協会は29日、男子15人制日本代表記者会見を都内で行い、今後の強化方針などを示した。ワールドカップ(W杯)日本大会で8強に導いたジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)が会見に出席。21年秋開幕の新リーグ実施の時期、スーパーラグビー除外による影響など、W杯後に感じている日本の課題を打ち明けた。
都内で会見、今後の日本ラグビー界について語る
日本ラグビーフットボール協会は29日、男子15人制日本代表記者会見を都内で行い、今後の強化方針などを示した。ワールドカップ(W杯)日本大会で8強に導いたジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)が会見に出席。21年秋開幕の新リーグ実施の時期、スーパーラグビー除外による影響など、W杯後に感じている日本の課題を打ち明けた。
ニュージーランドにいても感じられた。大会後のオフに母国で静養。日本のラグビー界はW杯を機に、大きく変わっている。26日にはトップリーグ(TL)の神戸―サントリー戦(ノエスタ)などを視察。リーグ歴代4位の観衆2万6312人が集まっていた。「トップリーグの開幕には、何人集まったのでしょうか。(母国の)ニュージーランドから見ていても素晴らしいものだった。W杯の成果の一つだと思う」。自分たちが起こしたムーブメントの大きさを改めて実感した。
ジョセフHCは、W杯後に契約が延長され、次回の23年フランスW杯も指揮を執る見通しだ。「大会から間が空いて考えたことをお話ししたい」。本物のラグビー強豪国にするため、強い思いを語り始めた。
「日本代表はこれからも強くなり続けなければならないが、優先事項として考えなければいけないのはウェルフェアです。選手が十分にプレーする機会を与えられること。それと一緒に、十分にラグビーから離れて遊ぶ時間を取るだとか、怪我をした選手はきちんとリハビリをする、ボディーコンディショニングをきちんとできるように。そうすることで最大限のパフォーマンスができると思う」
昨年W杯はまさに死闘続きだった。加えて、選手らからは「地獄」と言われていたという長期合宿もこなしている。今後も日本を担う選手には、疲労回復、ケガの予防、リフレッシュにも努めてもらいたいと、まずは願った。
また、TLに代わる新リーグについても言及した。今年は国内で6月にウェールズと1試合、7月にイングランドと2試合、11月に海外遠征でスコットランド、アイルランドと各1試合をこなす。5月末に終了する現在のTLの日程なら、スムーズに代表戦に移行できる。
一方、協会は28日に、21年秋に開幕を目指す新リーグ参入要件の骨子を発表。秋の開催となれば、代表戦に関するスケジュール調整を大きく変更することとなる。開幕時期によっては代表活動に支障が出かねないのだ。
「(大事なのは)代表チームとスケジュールがクラッシュしないこと。今のTLのスケジュールは12月末~5月末のスケジュールだが、選手はこのシーズンが終われば、テストマッチ、代表チームの活動に集中できる。当然代表としては(テストマッチの)準備をして戦わなければならないので、スケジュール等にコンフリクト(対立)がない、今のTLのストラクチャーは、私はすごくいいと思う」