7人制が5人で海外遠征へ「空港ではじめましてと…」 15人制熱狂の裏で古株が語る現状
強化の継続性を懇願「五輪に出ようが出まいが、この思いを伝える」
坂井によると、自身が代表入りして以降、1年間の代表活動で一度もチームを離れずにフルで戦った選手は、自分以外にはいないという。「それだけセブンズに対する思い入れは人一倍強いと勝手に思っています。セブンズのいいところも悪いところも一番知っているつもりではある」。そんな古株は7人制の魅力を語った。
「ラグビーの魅力、全ての面白さが一番わかりやすく伝わるのがセブンズだと思う。足が速い、ステップワークで相手を抜く、ただ相手とぶつかるというラグビーの醍醐味がある。あとはラグビーのルールはわかりにくいと聞くけど、それも人数が少ない分、非常にクリアでどんな方でもわかりやすく見られると思う。
そんな中でも、僕が一番醍醐味だと思っているのは、1日に何回も強豪国の試合を見られること。(15人制の)W杯だと、最低1週間くらい待たないといけない。でも、セブンズの場合は、ニュージーランドがやって、イングランドがやって、フィジーが来て、次に日本戦が来て。それでまたちょっと空くと、また同じサイクルで試合を見られる。1日に強豪国の試合をたくさん見られるのが、僕は魅力じゃないかなと思う」
自身は年明けの練習中に接触した相手の膝が顔面に直撃し、右目上を5針縫った。今回の合宿初日は別メニュー。パス回しをする仲間を横目にグラウンドの端を走り続けた。東京五輪代表に食い込むには厳しい道のりであることは理解している。諦めずに五輪を目指す中でも、自分たちが戦う意味をチームにつなぐつもりだ。
「当然僕が五輪に出ようが、出まいがこの思い(メダル獲得の重要性)はずっと変わらないと思っている。その辺はチームには伝えようとは思っている。(代表入りすれば)空港に集合した時に力を貸してくれた人の思いを背負って東京でプレーしたい」
空前の大フィーバーで軌道に乗った15人制。代表強化の継続性を願う7人制の古株は、メダル獲得を起爆剤に変えようと歯を食いしばっている。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)