トゥトベリーゼ氏の手法に渦巻く賛否 露メディア現状分析「競技人生の短い選手が…」
「競技人生の短い選手を生み出すアプローチはフィギュア界で議論に」
一方で、記事では支持する声もあると指摘している。「トゥトベリーゼ自身への非難の集中砲火を浴びたわけだが、それでも彼女を女王請負人と呼ぶ声もある」とし、また同氏の手腕について「非難や不満から強く耐えて、4回転を跳ぶスターを彼女の元から苦労して生み出し続けてきた」と紹介。リプニツカヤが若くして引退したことについて尋ねられた時、同氏は「彼女は後悔していない。そして私はオリンピックで活躍した彼女の手助けをできたことに誇りに思っている」と語ったことも伝えている。
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こうした背景もあり、最近、持ち上がっているのがシニア転向の年齢引き上げ議論だ。記事でも「五輪チャンピオンを生み出したトゥトベリーゼ氏の輝かしいが、競技人生の短い選手を生み出すアプローチの仕方は、フィギュア界で議論が交わされている」とした一方で「年齢制限を引き上げるということはトゥトベリーゼ氏が作り上げた素晴らしいものを台無しにすると、トゥトベリーゼ氏を支持するコーチたちは主張している」と“トゥトベリーゼ支持派”もいると伝えた。
特集の締めくくりでは「批判の内容は、競技の進歩はアスリートの健康よりも優先されるべきではなく、10代で才能に満ち溢れた滑りができるのに若いうちに引退に追い込んでしまう状態であってはいけないというものだ。真実はどこに存在するのか? ISUはまだ女子フィギュアの年齢制限に関するアナウンスを行っていない。しかし、この論争は着実にスポーツの中で最も議論が交わされるものの一つになりつつある」とまとめていた。
女子の競技のレベルを引き上げたトゥトベリーゼ氏の功績は間違いなく大きい。一方で、ジャンプを中心とした演技の高難度化は選手に対する体の負担という問題も裏側では存在している。フィギュア界を代表する名伯楽の指導がもたらす2つの側面について、露メディアも関心を寄せていた。
(THE ANSWER編集部)