初心者だらけの部活からバレー日本代表に 少年少女へ、西田有志はYouTube時代に思う「画面の先にいる選手は…」
今の子どもたちは「回数の問題ではなくなっている」が、しかし――
未来の日本を背負う少年少女に向けた言葉も、とにかく彼らしい。
「今はスマートフォンひとつあれば、いろいろなものを手にできて、知識を得られる時代です。僕の時代はガラケーでしたけど、今はスマホでYouTubeを開けば簡単に求めている動画が出てくるでしょう。だから、自分の時代とは努力の仕方が変わってくる部分も当然あると思います。僕たちが数をこなして、だんだん気付いて、ようやくモノにしていたけど、今の子どもたちは動画を見て、実際にやって、それでモノにしていく。回数の問題ではなくなっているんです」
ウィークポイントを補い、ストロングポイントを伸ばすために、小さな努力を重ねるしかない。その方法は1つではなく、さまざまな手段から選べる時代だが、差が生まれやすいのは回数だろう。答えや正解が見えても、身につけなければ成長とは呼べない。だからこそ、である。
「数はしっかりこなしたほうがいいと思います。画面の先にいる選手は絶対に数をこなしているはずですから。練習で数をこなして、自信を持って、試合で当たり前のようにやる。それが一番強いと思います。数と自信は大きく関係しています。何回もやって上手くいけば、当たり前にできるようになる。いろいろな答えを見つけられるツールがあるので、それを実践した人間が強いし、さらに数をこなした人間はもっと強いと思います」
だから西田有志は誰よりも高く跳ぶ。何度も、何度も、何度も。その繰り返しに終わりはない。
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)