子どもにも広がるコロナ太り問題 肥満を予防、太り過ぎない食生活に必要な2つの意識
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第36回は「子どものコロナ太り」について。
連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第36回
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第36回は「子どものコロナ太り」について。
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長らく続いたコロナ禍により、「コロナ太り」が気になった方は多いと思います。実は大人だけの問題ではありません。現在、出ている統計をみると、欧米を中心に子どもたちの肥満が増えたという報告があり、どうやら世界的に子どもたちのコロナ肥満が問題になっているようです。
日本の子供たちも例外ではありません。学校保健統計をみると、2006~2018年頃は小学生において年々、肥満児の数は減少傾向にありました。ところが、2020年は肥満児が2%以上増加。年齢によっては3%を超えるほど増加しています。
コロナ禍では子どもたちも、様々な制限によりレクリエーションや外出の機会が減ってしまいました。一方、食事は今まで通りの量を食べたり、家にいる時間が長くなったことでお菓子をつまむ機会が増えたりと、生活習慣の変化による「食べすぎ」の影響が考えられると言われています。
私の身近でも、子供たちのコロナ太りを心配する声をよく聞きます。姪もその一人。久しぶりに会ったところ、見た目は「少しぽっちゃりしているかな」という程度ですが、特にお腹周りの肉付きがいい。お腹周りに肉がつくのは、食べ物が原因である可能性が高いので、「運動不足と食べすぎ」が心配されました。
今、お子さんに肥満の心配がある方は、まずローレル指数(子どもの肥満度を測る数値)を計算してみましょう。計算式は、ローレル指数=体重(kg)÷身長(m)3乗×10。例えば体重30kg、身長が130cmの場合、30÷1.3の3乗×10=137となります。
数値の見方ですが、普通体形は115~145未満。太り気味は145以上~160未満、160以上になると太り過ぎです。今は自動的に計算してくれるサイトもあるので、簡単に計算が出来ますよ。
計算の結果、ローレル指数が「太り気味」でも普通に近い数値であれば、心配されなくても大丈夫です。特に、元々は運動習慣がある子供であれば、神経質に考える必要はないかと思います。
ですが、「太り気味」でも高い数値であったり、「太り過ぎ」に該当したりする場合、この機会にコロナ禍で身に付いた食生活を見直していきましょう。