「補食」と「おやつ」は何が違う? 同じ間食でも異なる役割、親が知るべき使い分け
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第31回は「補食とおやつ」について。
連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第31回
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第31回は「補食とおやつ」について。
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スポーツをする子どもたちには、朝・昼・晩の食事のほかに「補食」を食べる習慣をつけるよう、本人や指導者、ご家族の方にお話をしています。
補食とは、食事と食事の間に摂る「間食」ですが「おやつと補食は、何が違うの?」と、聞かれることがあります。違いを簡単に言うと、おやつは「エネルギーと心の栄養」を満たし、補食は「エネルギーと足りない栄養素」を補充する役割があります。
まず、おやつについてですが、子どもは3度の食事だけでは、体に必要なエネルギー量をなかなか摂り切れません。そのため「3時のおやつ」を食べて、足りないエネルギーを補います。また、子どもたちにとって甘いお菓子は「楽しみ」の一つ。そして、家で親御さんや兄弟とお話ししながら食べたり、友達と駄菓子やアイスを買って食べたりなど、コミュニケーションの時間という役割もあります。つまり、エネルギーを満たすだけでなく、心をリラックスさせたり、楽しい気持ちになったりと、「心の栄養」にもなるのです。
一方の「補食」ですが、こちらはスポーツ栄養で使われる言葉です。スポーツをする子どもは特に活動量が多いため、成長に必要なエネルギー量や栄養素を3度の食事では摂り切れません。そのため、補食を摂って、エネルギーや栄養素を補います。1日に摂る回数に特に決まりはありません。
何を食べるかですが、補食に求められるのは、第一に「エネルギー」です。食品で言うと、おにぎりやあんぱん、サンドイッチといった、主食にあたるものが代表的です。
次に「不足しやすい栄養素」。成長期や活動量の多い子どもたちの場合、カルシウムがなかなか摂りにくいと言われています。給食が提供されている小学生や中学生の場合は、習慣的に牛乳が飲めるためカルシウムの摂取量も高いのですが、給食のない学校に通っている場合や夏休み、休日などにおいてはカルシウムが不足しがちになります。
食品で言うと、カルシウムの豊富なチーズや牛乳、プロテインドリンク、ゆで卵(持ち歩く場合、夏場を除く)などを、おにぎりやサンドイッチと一緒に摂るのがおすすめです。
補食を摂るタイミングですが、最も多いのは「2回目の朝ごはん」という感じで、お昼ご飯の前に摂るケースです。朝は「時間がない」「食欲がない」など、色々な理由で朝食を朝しっかり食べられない子どもが多いのが、その理由になります。次に多いタイミングは、部活動の後。部活や塾で帰宅が遅くなるため、夕食までの間に摂ります。