[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

“尿の変化”もサインに? ジュニア選手を熱中症から守る、保護者が知るべき知識

栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について優しく指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。サッカーJリーグ・アルビレックス新潟で栄養アドバイザーを務めている公認スポーツ栄養士・長谷川直子氏がわかりやすくアドバイスする。第2回は「ジュニア選手の熱中症対策」について。

ジュニア選手を熱中症から守る、保護者が知るべき知識とは
ジュニア選手を熱中症から守る、保護者が知るべき知識とは

連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第2回

 栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について優しく指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。サッカーJリーグ・アルビレックス新潟で栄養アドバイザーを務めている公認スポーツ栄養士・長谷川直子氏がわかりやすくアドバイスする。第2回は「ジュニア選手の熱中症対策」について。

 ◇ ◇ ◇

 今年も全国的に暑さが高まり、初夏から各地で熱中症の症状が見られているようです。人の体は、1%の水分が失われると大量の汗をかいたり、喉が渇いたりしきます。2%の水分が失われると、めまいや吐き気の症状があらわれ、3%を超えると汗が出なくなります。たった1~2%の差で大事故につながるため、とにかく運動中はこまめな水分補給が大切です。

 Jリーグの選手は、体重減少が2%を超えないよう、運動前後に体重を測定し、運動中の水分補給が適切に行われているか、調べています。

 子どもたちは、毎回、練習後に体重を測定するのは難しいと思いますが、練習後に尿は出たか、尿の色は普段と比べて濃くないか。頭痛、めまい、吐き気といった症状がないかを確認するだけでも、熱中症予防の助けになります。

 さて、ジュニア選手の水分補給についてですが、一番の問題は、練習に夢中になり、つい水分補給を忘れてしまうことです。指導者や現場に立ち会う保護者の方は、水分を取るようにまめに声をかけたり、ボトルを渡して飲ませたりなどのサポートをしてあげましょう。

 また、水分は一度にたくさん飲んでも、体は吸収しきれません。練習開始の30~40分くらい前から250~500ml程度(ペットボトル1本程度)の水分を少しずつ“飲み溜め”するのがコツ。練習中も喉が渇いたと思う前に、水分補給を行うのがポイントです。水分の温度は5~15℃が適温。5℃は冷蔵庫から出して、コップにいれたくらいの温度なので、キンキンに冷やさなくても大丈夫ですよ。

 何を飲むかですが、あまり汗の欠かない環境での運動や、1時間以内の軽く体を動かす程度の運動であれば、夏でも水や麦茶で大丈夫。運動が1時間以上になる場合は、スポーツドリンクに切り替えます。スポーツドリンクを選ぶ際は、栄養成分表示をチェック。ナトリウム含有量が100mlあたり40~80mgあること、そして4~8%の糖質を含む商品をおすすめします。運動後は、すぐにスポーツドリンクやコップ1杯ほどの果汁100%ジュースをとり、運動で失ったエネルギーと水分を補給しましょう。

1 2

長谷川直子

公認スポーツ栄養士

管理栄養士、公認スポーツ栄養士。09年から新潟を拠点にJリーグのアルビレックス新潟・栄養アドバイザーとして、選手、家族向け栄養セミナーの実施、メニュー作成や調整、個別の食事相談などを担当する。そのほか、スポーツ指導者向け研修会、小中学校でのスポーツと食の講演会、新聞・雑誌の監修やラジオ出演など幅広く活躍。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集