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なぜスポーツで“脚はつる”のか トレーナーが教える対処法、意外な食材が補食に?

一か所ばかりがつる場合は、動作に原因がある可能性も…

 しかし、ここで問題が生じます。いくら生理学的にバランスが悪い、身体的な負担が大きい場合でも、単純に「フォームを変えよう」という答えに辿りつくのは、非常にリスキー。なぜなら、生理学的には正しくなくても、特殊な動作によって勝っているケースは往々にしてあるからです。

 その場合、フォームを変えることで勝てなくなる可能性も高い。フォームを変えるべきか、それともいじらず障害を防ぐ補強に徹するか。選手生命にも関わる問題のため、選手・スタッフは慎重に選択を重ねます。

 2012年のロンドンオリンピック前からサポートしていた卓球の福原愛選手を例にお話ししましょう。福原選手は昔からバックハンドに定評があります。彼女の肘はバッグハンドを打つときに過剰に外反。この動作が強さを生み出す一方で、障害を起こす危険もはらんでいました。

 フィジカルトレーナーはもちろん、肘が過剰に曲がらないためのトレーニングを組むことはできます。しかし、強みでもある動作を修正すれば、勝てなくなる可能性も高い。結果、肘の修正ではなく、他の動作の強化の道を選択し、福原選手は女子団体で銀メダルを獲得。その後、予定していた右肘の手術を受けるに至りました。

 話は戻りますが、もしも一か所ばかりがつる場合は、動作に原因があるかもしれません。私たちフィジカルトレーナーは「なぜ、その部位に負担がかかるプレースタイルになってしまうのか」を見抜き、分析するのも仕事です。身近にトレーナーがいるのであれば、一度、見てもらうのも手です

【了】

長島恭子●文 text by Kyoko Nagashima

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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