サッカー日本代表専属シェフが明かす“勝負飯” 決戦前に「非常に有効」な食材とは
ウナギが「非常に有効」な理由とは…
「ウナギがタンパク質以外のところで特に優れているのはビタミン群なんですよ。特に豊富なのはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEですね。ウナギを食べることは、疲労回復などのコンディショニングで非常に有効です」
ビタミンB1は糖質をエネルギーへと変えるサポートをする役割を持ち、脳のエネルギー源となる糖質も行きわたりやすくなる。ビタミンB2は脂質をエネルギーとして燃やすことができるため、試合では糖質と脂質両方を最大限活用することができる。
また体内の脂質の酸化を防ぐ抗酸化作用の働きを持つビタミンEには疲労回復の効果があるため、コンディショニングにも最適なものだといえる。美味しくて栄養も抜群なウナギが日本代表の試合前の食卓に並ぶのは、理に適っているといえそうだ。
活力を生むためにはウナギを食べる――。昔からの日本の伝統だが、栄養学の観点から見ても有効性は高い。ここ近年は価格も高騰し、貴重な食材であるウナギだが、大一番への“勝負飯”として口にすれば、ベストパフォーマンスを発揮できるかもしれない。
【了】
茂野聡士●文 text by Satoshi Shigeno
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images