「なぜ農家を応援すべきか分かった」 廣瀬俊朗&伊藤華英と学んだ「食とSDGs」の意味
スポーツ現場にもある食品ロス「ホテルのビュッフェに無駄があるかも…」
続いてクイズで挙がった食品ロス、米の消費、肉の消費の3つについて、今これから私たちができることを考え、トークセッションが行われた。
橋本「今、お米を食べない日本人が増えていますが、ラグビー選手はお米を食べていましたか?」
廣瀬「すごく食べています。1回の食事でお茶碗2、3杯は食べていましたね」
橋本「ラグビーは体重100キロのフォワードの選手がハードな練習をすると、1日にごはんで換算すると、最低でも丼6杯が必要と言われています。もちろん、実際はお米以外も食べますが、それだけ食べないとハードな練習についていけないということです。炭水化物が不足すると、エネルギー不足で疲れやすくなったり、脳に栄養が行かずに集中力が低下したりします。あと、成長期の子供は筋肉をつけたくて、たんぱく質を摂りますが、意外とお米を食べることが頭から抜けている子が多い気がします。体を大きくしたい場合はプロテインの前にお米が大事だと私は思います。
スポーツの現場を見ていると、もっともっとお米を食べてほしいです。平成25年には和食が世界無形文化遺産に登録されました。日本人の伝統的な食文化、お米を食べたり、発酵食品を食べたりに加えて『いただきます』『ごちそうさま』というマナーも含め、次世代に伝えていきましょうということが登録された意味です。もちろん、ほかの国の料理も素晴らしいですが、日本人は日本食の素晴らしさを知り、普段の食事で日本食を食べるきっかけになってほしいと思っています。ちなみに廣瀬さんは環境を大切にするという意味もあって大豆ミートを食べているそうですね」
廣瀬「僕としては植物性たんぱく質を摂ると体に優しいし、ヘルシーでもあります。動物性たんぱく質は先ほどのSDGsの観点からCO2に影響するという問題もあります。環境のことを考えても、毎日ではなくとも、週1回は植物性たんぱく質を摂る習慣が広まっていくといいなと思います」
橋本「素晴らしい。アスリートの発するメッセージはすごく影響力がありますから。ただ、一般的にアスリートはお肉が好きです。今後、大豆ミートを取り入れましょうというような動きをアスリートは受け入れると思いますか?」
廣瀬「毎日は難しいかもしれないけど、週1回なら問題ないと思います。実際、僕は胃が持たれない感覚があるので、内臓に優しいと感じています。特に日本人は歴史的なことを踏まえると納豆、味噌汁なども好きなので、体に合うんじゃないかと思います」
橋本「肉をたくさん食べる西洋の国では、肉を食べる量をもう少し減らそうとスポーツ界でも積極的になっています。日本はそこまで肉を食べていないので、環境を考える1週に1回だけ植物性のものを食べると良いと思います。毎日、何が何でも植物性を摂ろうというより、できることをやってみることが大切です。そして、もう一つは食品ロス。家庭から排出される量が多いデータがありましたが、何か家庭でできることはありますか?」
伊藤「パンなど、冷蔵庫より冷凍庫に入れられるものは入れて長持ちするようにしています。最後まで食べられるように工夫はしていますね」
廣瀬「僕は残さずにちゃんと食べ切ること。あとは買い物に行く前に冷蔵庫を見ること。帰ってきて『あったじゃん!』ということもあるので(笑)。ラグビーではホテルのビュッフェでは無駄があるかもしれないですね。足りなくなったということが許されないと思うので、多めに料理を作っていただいていたと思います。今になってみると申し訳ないですね」
橋本「私は栄養士としてホテルにメニューをお願いする側ですが、今、ホテルに協力してもらっているのは実際にどれくらい残っているかをリストにして提出してもらうこと。明らかに出しすぎというものは調整するように相談しています。できることを一人一人が実行していくことが大事です」