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アスリートも料理を経験すべき理由 あるラグビー選手が「自炊」で理解できたこと

あるラグビー選手の体験談「選手は自炊をするべきだと思う」

 実際、自分で食事を作る経験は、体作りやコンディション管理への理解をグッと深めます。

 体作りに必要な3要素は「トレーニング」「休養」「栄養」であることは、今どきの選手、指導者は当たり前に知っていると思います。一方で、実は栄養については腑に落ちてはいない、深く理解するところまではいっていないという方は多いのではないでしょうか?

 私が栄養サポートを行ってきたラグビートップリーグのある選手は、「自炊をしたことでより食事の大切さを実感できた」と話します。

 彼はオーストラリアに留学時、体のサイズを大きくするため、弁当も自分で作っていました。材料を買って食材の量を目で確認したり、いろいろな調味料を使ったりすることで初めて、「料理を作るためにどれだけたくさんの油を使われているか」「体を大きくするためには、どのぐらいの量を食べる必要があるのか」を理解できた、とのこと。「自炊は大変だったが、自分の体のことは自分が一番わかっている。選手は自炊をするべきだと思う」と話していました。

 シーズンを通し、何を、いつ、どのぐらい食べると、体重、体脂肪率、気分、パフォーマンス、コンディションにどんな影響を与えるのか? アスリートにとって自分の体の状態をみながら、どのように食事を整え、何を口に入れるのかを考えられることは、必要な基本スキルです。栄養を雑学ではなく、効果的な手法として身につけておけば、特に十分なサポート体制がないなかでも、よいコンディションを維持するために役立ちます。

 これは、トップアスリートだけに当てはまることではありません。将来、世界を目指す、プロを目指すジュニアやユース年代のうちから、栄養の知識を詰め込むだけでなく、ぜひ食事に興味を持ち、料理の楽しさに気づいてほしいと感じています。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJリーグ横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けてのスポーツ食講座なども行う。著書に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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