“コロナごもり”が体に悪影響も… 在宅勤務で今、大切にすべき食事の意識
Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「“コロナごもり”で気をつけるべき食事」について。
公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「“コロナごもり”で気をつけるべき食事」
Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「“コロナごもり”で気をつけるべき食事」について。
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新型コロナウイルスの感染が世界各国で拡がる今、これまでと同じような生活が維持できなかったり、先々に不安を抱えたりと、皆が大きなストレスを抱えていることと思います。スーパーでは特定の食品が一時的に棚から消えるなど、食卓への影響もみられるなか、「こんな時は何を食べたらいいのか」と日々、考えています。
報道などから、最近、スーパーで売れている商品の傾向を調べてみると、ストックできる食材が目立ちます。主食の米やパンのほか、野菜は根菜類。魚は干物、カップ麺やカレールーにパスタソース、スナック菓子などの加工食品。レンジで温めるご飯のパックや調理に時間のかからない冷凍食品、そして冷凍野菜など、地域差はあるものの、よく買われているようです。
在宅勤務で生活の大部分を座って過ごしていると、成人の場合、通勤やスポーツ活動をしている時と比べて、1日約300~700kcal程度、エネルギー消費量が少なくなります(日本人の食事摂取基準<2020年版>「推定エネルギー必要量」より)。その上、自宅で過ごす時間が増えるほど、自分の好きなものを買い込んだり、必要のないものまでつい手が伸びたりします。すると、菓子類やアルコール、加工食品を摂る量が多くなるため、どうしても塩分や脂質、糖質の摂り過ぎが気になってきます。
この状況が1~2週間で収まるのであれば何を食べてもさほど気にしなくてもよいのですが、やはり2、3か月と長期間続くとなると、体への悪影響が心配です。
コロナウイルスに関する食と栄養の情報を調べる際、参考にする情報源にCDC(アメリカ疾病予防管理センター)とWHO(世界保健機関)があります。CDCがコロナウイルスによるストレス対処法のポイントとして挙げているのは、メディテーション、定期的な運動、十分な睡眠、そしてバランスのよい食事。逆に控えるべきはアルコールであると発信しています。また、WHOはこの時期に栄養面で気を付けることとして、十分な水分摂取と、可能な限り新鮮な野菜や果物を摂取すること、塩分と砂糖、動物性食品に多い飽和脂肪酸を控えめにすることなどを提言しています。