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東京五輪で食の意識も変わる? 2020年の「世界の食と栄養のトレンド」とは

 Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。2020年初回となる今回は「世界の食と栄養のトレンド」についてお届けする。

植物性食品を積極的に取り入れようとする“Plant based”が引き続き今年のトレンド
植物性食品を積極的に取り入れようとする“Plant based”が引き続き今年のトレンド

公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「世界の食と栄養のトレンド」

 Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。2020年初回となる今回は「世界の食と栄養のトレンド」についてお届けする。

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 今回は2020年の最初の連載回ということで、スポーツと少し離れ、世界の食と栄養のトレンドについてお話しましょう。

 今年の世界の食と栄養のトレンドワードは、2019年から引き続き“Plant based(プラント・ベースド)”と“食品ロスの削減”です。

 Plant basedについては過去に本連載でも触れていますが、“食品ロス”と比べると、一般的にはまだまだなじみのない言葉だと思います。簡単に説明すると、「動物性食品の代わりに、肉の代用品や精製されていない穀物、豆や種実、野菜や果物などの植物性食品を積極的に取り入れましょう」という食生活のことです。

 2015年に国連で持続可能な開発目標(SDGs)が決められて以来、主にアメリカやヨーロッパの一部では認識されていたPlant basedという食生活。2020年には先進国を中心に一般的に広がる段階を迎え、近い将来、標準になっていくと考えられます。

 欧米各国で高まっている「Meatless運動」で特に目立つのは、環境破壊という点で問題視されている牛肉の消費量を削減する取り組みです。例えば、肉の使用量を減らしたハンバーグ。日本ではひき肉に豆腐を混ぜたハンバーグは家庭の食卓でも当たり前に食べられていますが、欧米ではひき肉にマッシュルームを加えたハンバーグがFlexitarian(フレックシブル+ベジタリアンからくる造語:柔軟な菜食主義者)の間で大人気。

 また、従来からある豆腐や納豆、テンペといった大豆・大豆製品だけでなく、金時豆、ひよこ豆、アーモンド、スピルリナ、ヘンプシード、キヌア、アマランサス、チアシードなどなど、さまざまな植物性タンパク質の食品やサプリメントも増えていくとみられます。

 日本でも東京オリンピックをきっかけに、ベジタリアン/ビーガンのレストランや、ベジタリアン/ビーガン料理を出す店も増えることは間違いありません。また、選手村では、国内の選手が海外のトップアスリートの食事を目の当たりにできることもあり、彼らの食事の方法を取り入れる日本のアスリートたちも増えるでしょう。そのなかで、植物性たんぱく質への注目も、より高まっていくのではないでしょうか。

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJリーグ横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けてのスポーツ食講座なども行う。著書に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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