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エディーHCが熊谷で高校生に熱血指導 明かした今なお日本ラグビーに携る理由

ラグビーの元日本代表ヘッドコーチ(HC)で現イングランド代表のエディー・ジョーンズHCが24日、埼玉・熊谷ラグビー場で行われたラグビー教室(主催=2020オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ2019埼玉県推進委員会)に登場。県内で選抜された高校生60人に2時間に渡る熱血指導を展開し、成長の心得を説いた。さらに、歴史的快進撃を演じた15年ワールドカップ(W杯)イングランド大会後も日本ラグビー界に携わる理由も明かした。

ラグビー教室に登場したエディーHCは高校生60人相手に熱血指導を展開した【写真:荒川祐史】
ラグビー教室に登場したエディーHCは高校生60人相手に熱血指導を展開した【写真:荒川祐史】

W杯開催地の熊谷ラグビー場で60人に2時間指導

 ラグビーの元日本代表ヘッドコーチ(HC)で現イングランド代表のエディー・ジョーンズHCが24日、埼玉・熊谷ラグビー場で行われたラグビー教室(主催=2020オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ2019埼玉県推進委員会)に登場。県内で選抜された高校生60人に2時間に渡る熱血指導を展開し、成長の心得を説いた。さらに、歴史的快進撃を演じた15年ワールドカップ(W杯)イングランド大会後も日本ラグビー界に携わる理由も明かした。

 エディーHCの熱い言葉が、熊谷の冬の空気を吹き飛ばした。地元の高校生を対象とした指導。W杯で世界一を知る名将が姿を現すと、目を輝かせた。「ラグビーは複雑なスポーツだけど、重要なことは“いかに素晴らしい基本的なテクニックを身に着けるか”ということ。それを終わった後に理解できるようにやっていこう」。エディーHCのメッセージでグラウンドに選手が散ると、熱血指導が繰り広げられた。

 練習はアタック、ディフェンス、ブレークダウンといった基礎的なもの。高校生レベルでも、やるべき理由がある。「世界のトップ選手こそ、基礎的なテクニックに長けている。それを若いうちにやっていくことが大事なんだ」。世界を知るからこそ発する言葉に説得力がこもった。日本人ならではの「コミュニケーション不足」についても指摘を繰り返しながら、2時間に渡って精力的に動き回り、指導を展開した。

 嬉しい再会もあった。教室前の対談では、地元・熊谷出身の日本代表・山沢拓也と対面。エディーHCが大学時代から注目し、合宿に招集した縁がある。来年に迫った日本W杯出場を目指す山沢は「日本でW杯で行われるのは凄いこと。出るためにやれることをやり切りたい」と決意を述べた。エディーHCは「日本のW杯という人生に一度のチャンスを逃さないで。次の12か月をどう過ごすかが大事になる」とエールを送った。

スタジアムには保護者、ファンら約1000人が詰めかけた【写真:荒川祐史】
スタジアムには保護者、ファンら約1000人が詰めかけた【写真:荒川祐史】

今なお日本ラグビーに思いを持ち続ける理由「初めに覚悟を決めたんだ」

 保護者、ファンら約1000人が詰めかけ、熱気が充満したスタジアムで1日を過ごしたエディーHC。「今日いいなと思ったのは熊谷でこれだけラグビーに興味を持っている人がいるということ。熊谷はラグビーの街。22年前に東海大でコーチをしている頃、大東文化大と戦って前半を3-45で折り返して後半に49-45と逆転したけど、ラスト1分で負けたことがある。いろんな思い出が詰まっているよ」と感慨深い1日だったことを明かした。

 そんな思い出深い熊谷は、来年のラグビーW杯で実際に試合が行われるスタジアムだ。「本当に素晴らしい施設。2万4000人が入り、試合展開が速くなりそうなグラウンドだ。ボールを動かすラグビーには最適だろう」と印象を語り、スタジアムの壁にサインも記した。2015年W杯で日本代表HCを退任後も定期的に日本に足を運び、若い世代を対象とした指導を続けているエディーHC。いったい、なぜ、日本ラグビーに対して思いを持ち続けているのか。

「2011年から15年まで携ったが、初めに日本を強くするという覚悟を決めたんだ。それが終わっても、フォローアップしていきたい。今日も10人のコーチがいて指導してくれたが、彼らと携わって(教えを伝えて)いくことで10人から500人、600人に影響を与えることができるだろうね」

教室の最後には、こんな言葉を残していた。質問コーナーで体の小さい選手がどう戦っていくかを問われると、エディーHCは「15年のW杯で日本はいいプレーをした。体の大きさは関係ない。どれだけ目標を達成したいと思って、いいトレーニングをいかにハードに続けていくか。今日の練習から変えよう。大事なことは今日、学んだということより、今後、どう過ごしていくかだ」と熱く語りかけ、成長の心得を説いた。

 クリスマスイブに熊谷に現れた世界的名将が残した言葉は、日本のラグビー界の未来にとって、かけがえのないクリスマスプレゼントになった。

スタジアムに残されたサイン【写真:荒川祐史】

(THE ANSWER編集部)

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