現状は「親がプロ野球選手になるのを止める」 斎藤佑樹が抱くセカンドキャリアの危機感と改善策
戦力外通告を受けてから迷う現実「全然知らなかったんです」
「僕もそうでしたけど、次の人生を歩む上で何が得意で何が苦手とか、どういう選択肢があるのか全然知らなかったんです」
この情報不足は、野球人口の減少にも絡んでいると考えている。「(現状では)親がプロ野球選手になるのを止めると思うんですよ」と危機感を抱いている。
9日(日本時間11日)には、日本ハムの後輩に当たる大谷翔平投手がドジャースとの契約を発表、10年総額7億ドル(約1014億円)という天文学的な報酬を得ると報じられているが、「大谷のようなケースは一握り」とバッサリ。それよりも「引退後の生活を紹介することで、親が安心してチャレンジさせられる環境を作りたかったんです」と、リアルな世界を伝える必要性を感じている。
「スポーツはほとんどが試練だと思います。勝利や活躍のために一途になったり、がむしゃらに練習したキャリアは、実はどこでも通用すると思うんです。専門的な能力はないかもしれないけど、スキルを得れば活躍できる能力になります」
斎藤氏も現役引退後は、経営者として試行錯誤を繰り返している。今回の事業も「タレントではなく、事業家としてお手伝いしたい」と新たな価値を生み出すことに重きを置いている。「成功も挫折も味わった僕が関わることで、感じてもらえることもあるはず」。引退後のテーマとして掲げる「野球未来づくり」がいよいよ具体化してきた。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)