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目を吊り上げ笑われたアジア人差別 日本では知らない世界を知った羽根田卓也の海外生活

羽根田を支えるスロバキア人のミラン・クバンコーチ(左)【写真:Getty Images】
羽根田を支えるスロバキア人のミラン・クバンコーチ(左)【写真:Getty Images】

将来的に海外留学を考える若い世代へ「一人で飛び込む勇気を」

――話を日本の文化に移します。海外で長く生活し、現地の文化を知った中で客観視し、日本のスポーツや国民性で発見できたことはありますか?

「スポーツに限らず、日本の一番の良さは『勤勉さ』です。言われたトレーニングメニューは何が何でもこなしてくれる。僕のスロバキア人のコーチからも言われるのですが、『とにかく日本人は勤勉で真面目でやり通す』と。一方で『そこに危うさも俺は感じる』とも言います。自主性がなかったり、なぜこのトレーニングをやるのか、意味も考えずに従ってやってしまう。もちろん、どちらが良い悪いではなくバランスを取る必要があります。

 日本は監督・コーチというポジションが欧米に比べて、どうしても上からになる。『上』と『下』の関係。でも、向こうは対等であり、ビジネスパートナーのような関係。コーチの言っていることが違うと思えば、対等に意見を言うし、納得いかなかったら選手側が解雇する世界なんです。しかし日本はコーチが生活を投げ打って選手に捧げ、一緒に1年中ついて回り、そういう情熱があって達成できる快挙もたくさんあることも事実。バランスが必要だと思います」

――今はコロナ禍で難しい状況ですが、将来的に状況が落ち着けば海外挑戦や留学を考えている若い人は少なくないと思います。彼らにこれだけは知っておいた方がいいという助言は何かありますか?

「チャンスがあるなら、海外へ飛び込んで色々な経験をして欲しいと思います。そして海外だからこそできる経験、得られる財産を掴んでもらいたいです。現地の人たちとのコミュニケーションであったりグローバルな視野を広げる活動であったり、海外に来ている意味を考えて過ごしていってくれればと思います。そういった事に挑戦できる環境作りを行く前からしておくのも大事かもしれないですね」

――事前にできる準備ですね。

「何も財布ひとつで飛行機に乗ることまでしなくていい。飛び込んで思い切り鍛えられる環境を、行く前から覚悟を持って作っておく。どこに行けば、最も学びがあるのかを考える。自分が挑戦したい分野の本場の国であれば、それを学べる人にアポを取ってみる。行ってどうしようとなるより、本場を学べるコミュニティに入れる環境作りをしていた方がいいと思います。行き当たりばったりだと、つい心地良い環境に流されてしまうこともあるかもしれないですから」

――コミュニティに日本人が一人いるかどうかで環境も大きく変わりそうですね。

「僕が18歳でスロバキアに渡った時は片田舎だったので、日本人が周りに一人もいなかった。だからこそスロバキア語も必死で覚えたし、現地に環境に溶け込むこともできたのではないかと思います。学びたいことがあるなら、思い切って鍛えられる環境を事前に準備して飛び込んでほしい。何のためにその場所に行くのか、何を学びに行くのかをしっかりと見つめて環境作りをしてほしいです」

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