母の一言が「僕の背中を押した」 15歳で越境入学、バスケ篠山竜青が語る高校選びで大切なこと
子供の進路に頭を悩ませる保護者に伝えたいこと
福井に旅立つ日、新横浜まで見送りに来てくれたクラスメイトたちの姿に、自分だけが遠い場所に行くことを実感した。厳しい言葉を送った母が、末っ子を手放した寂しさでいつも泣いていたことは後に知った。“タダでは神奈川には帰れない”というプライドが、高校時代の篠山を支えた何よりの原動力だった。
そして、篠山は2年時より名門校の主力になり、高校3年時にインターハイ優勝を達成。その後進学した日本大でも全国制覇を果たし、JBLの東芝ブレイブサンダースに加入できる“一握り”側の選手になり、日本代表のキャプテンを務め、35歳になった現在も第一線のプロバスケットボール選手としての人生を生きている。
現在、育成年代のバスケットボール選手を取り巻く環境は多様化している。学校の部活動、クラブチーム、Bリーグユース、国内留学、海外留学??。高卒でBリーグに入る選手もいれば、大学途中でその道を選ぶ選手もいるし、社会人を経てプロにチャレンジする選手も、海外リーグに居場所を見出す選手だっている。
選手自身はもちろん、保護者も様々に頭を悩ませるだろう。しかし、いずれこのような選択をする上でも心に留めてほしいことがあると篠山は言う。
「日頃のやりとりやコミュニケーションから、我が子が口先でなく本心でどうなりたいと思っているかを見定めてあげてほしいと思います。僕も口先では『神奈川県の高校でチヤホヤされたい』みたいなことを言っていたけれど、心の中では『県外に行かないといけないんだろうな』っていう頭はたぶんあった。それを察知した母が僕の背中を押し、精力的にいろいろなチームに働きかけてくれたからこそ今があると思っています。
あとは、子供の選択に責任を負わせすぎないということも、保護者として大切なことなんじゃないかと思っています。選択自体には正解も不正解もなく、すべては本人の努力や頑張り次第だと思っているので。最終的に自分で決めさせること。ただその選択自体に責任を負わせすぎず、保護者が選択を後押ししてあげること。そして『どこに行ってもお前次第だよ』ということを伝えてあげてほしいです」
■篠山竜青(しのやま・りゅうせい)
1988年7月20日生まれ、神奈川県出身。北陸高でウインターカップ準優勝を経験、日本大時代にはユニバーシアード日本代表にも選出された。2011年に東芝ブレイブサンダース(当時)に加入。チームの中心として活躍し、今季在籍13シーズン目を迎える。日本代表でも主将を務めるなどリーダーシップに定評があり、2019年ワールドカップ中国大会に出場した。
[10月の試合日程]
B1リーグ第1節
10/7 vs三遠(18:05/川崎市とどろきアリーナ)
10/8 vs三遠(16:05/川崎市とどろきアリーナ)
B1リーグ第2節
10/14 vs三河(15:05/スカイホール豊田)
10/15 vs三河(15:05/スカイホール豊田)
B1リーグ第3節
10/20 vs富山(19:05/川崎市とどろきアリーナ)
10/21 vs富山(16:05/川崎市とどろきアリーナ)
B1リーグ第4節
10/25 vs琉球(19:00/沖縄アリーナ)
B1リーグ第5節
10/28 vs大阪(16:05/おおきにアリーナ舞洲)
10/29 vs大阪(16:05/おおきにアリーナ舞洲)
(青木 美帆 / Miho Aoki)