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ドラフト指名漏れ直後に迫られる選択…18歳はなぜ“2軍球団”を選んだ? 広がる新たな選択肢「1年でも早く」

高野は2軍球団でしかできない経験が魅力だと話す【写真:羽鳥慶太】
高野は2軍球団でしかできない経験が魅力だと話す【写真:羽鳥慶太】

「かかったらラッキー」が呼ばれず…高野結羽の場合

 同じく、高校を卒業した今春、すぐにオイシックス入りしたのが高野だ。昨夏は聖光学院(福島)のエースとして夏の甲子園にも出場。鶴岡東(山形)との1回戦では8回11奪三振、2失点の力投を見せたものの敗れた。秋にはプロ志望届を提出。こちらも5~6枚の調査書を書き、ドラフト会議を待った。

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「かかったらラッキー、それぐらいに思っていたんですけど……」

 ところが名前は呼ばれなかった。大学進学も考える中で、オイシックス側から声がかかった。当時は2軍リーグに参加している球団としか知らなかったが「できればすぐにプロに行きたい。プロの選手と対戦できるほうが、成長が早いんじゃないかと思った」。進路決定はほぼ即決だったという。

 ここまでイースタン・リーグで残した成績は4試合で防御率9.00。高校野球とのレベル差を感じる日々だが「大学に行っていればすぐ投げられたのかもしれませんけど、ここでは見ているだけでも感じられることが本当に多い」と日々、学びがあるという。

 試合では、聖光学院の先輩にも出会う。「ロッテの(佐藤)都志也さんにホームランを打たれて。甘いところに入ったらすぐに持っていかれる。そのぐらいの感じでした」と苦笑い。しっかりプロの厳しさを教えられた。「ストレートで抑えられる投手になりたい」と、ブルペンでの投球練習から低めの内外に投げ分けるよう意識している。

 オイシックスの武田勝監督は、高卒新人の育成について「まずは何も言わないよ。最初の年はね。やりたいようにやってもらう」とだけ説明する。高野についても「ゾーンの中で勝負しようとしているだけで十分。これから体つきも変わるだろうし。本当の体力をつけてNPBを目指す。その中で何が武器になるか確立していけばいい」。本人が課題に気づくことで、成長の速度は上がる。己を知るよう仕向ける指揮官の考え方も、高卒ルーキーにピッタリなのかもしれない。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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