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砂場もない中学校から日本の走り幅跳びエースに 陸上・橋岡優輝、中学3年生で突然訪れた岐路

楽しいと思えた瞬間に自然と巡り会えた【写真:松橋晶子】
楽しいと思えた瞬間に自然と巡り会えた【写真:松橋晶子】

両親から陸上競技を勧められたことは一度もない

 ベクトルを一本化した橋岡は、スターダムへの階段を一気に駆け上がる。その活躍ぶりは周知の通りだ。高校2年次に高校生歴代10傑となる7メートル70(追い風1.4メートル)を記録すると、3年次には日本選手権で8位入賞。翌年には日本選手権初優勝を飾り、日本のトップジャンパーの仲間入りを果たす。

 もっと早く走り幅跳びの世界に入っていれば、は不必要な“たられば”なのだろう。

 両親から陸上競技を勧められたことは一度もない。だからプレッシャーに感じることなく、純粋な気持ちで楽しめた。

 顧問やコーチからは時に厳しく指導されたものの、その原因は若気の至りにあった。橋岡自身がこの道を進むと決めてからは、これ以上ない援軍である。

「僕は窮屈になってしまうと嫌になってしまうタイプなんです。自分がやりたいことに集中してのめり込んでいくタイプなので、周りから何かをやれと言われるとやりたくなくなってしまう。ワガママなだけかもしれません(苦笑)。自分のベクトルが自然と向いていることが重要という考えで今も競技者をやっています」

 すべては楽しいと思えた瞬間に自然と巡り会えたおかげ。

 中学3年生で表彰台に上がっていなければ、今の橋岡優輝はいなかったかもしれない。

(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)

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