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日本の“プロラグビー”はどうすれば成功するか スーパーラグビーを見習うべき理由

前回は、国内ラグビーのプロ化への課題を中心に書き進めたが、後編では日本のプロリーグの“あるべき姿”を考えていきたい。

スーパーラグビースタイルを参考にすべき理由とは【写真:Getty Images】
スーパーラグビースタイルを参考にすべき理由とは【写真:Getty Images】

高まるプロ化の機運、ラグビー取材歴20年の吉田宏記者が課題と可能性を考察 後編

 前回は、国内ラグビーのプロ化への課題を中心に書き進めたが、後編では日本のプロリーグの“あるべき姿”を考えていきたい。

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 ラグビーのプロ化を進めるためには、現在チームを保有する企業への影響も慎重に考える必要がある。

 プロ化を推進する日本ラグビー協会の清宮克幸副会長によると、プロリーグと同時進行で現行のトップリーグ(TL)も、アマチュアリーグとして存続するという。一部の推進派のチームがプロ化する一方で、企業スポーツの継続を求めるチームは“現状維持”で社会人リーグを継続するというフォーマットになるという。簡単にいえばプロリーグとTLが共存することになる。

 だが、この筋書きだけでは、まさに絵に描いた餅だろう。プロリーグが始まれば、収益を得ることが従来以上に重視され、協会サイドも率先してプロのメディア露出に力を注ぐのは間違いない。選手強化、つまり代表チームの選手選考でも、同じようにプロチームが中心になるだろう。つまり、プロ化を拒めば現状維持ではなく“マイナーリーグ降格”という憂き目にあう危険性は極めて大きいのだ。

 もし、この悪魔のシナリオが実際に起きてしまえば、広告効果などの利益も生まないラグビー部に驚くほどの資金を投入してきた企業のチーム運営方針が変わらないという保証はない。

 一部のTL関係者は、現在提示されているプロ化構想の不明瞭さに不安を感じている。例えば、外国人選手の出場規約だが、現行ルールと同じ3人なのか、15人が全員外国人でもいいのかは、現時点で明示されていないという。2年後の“開幕”を目指すのであれば、何人の外国人選手を獲得する必要があるかの検討は、いまの時点で着手するべき案件になる。当然、日本人選手の採用、契約にも大きな影響のある問題だ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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