女版サスケで脚光 元体操代表美女は今、なぜ“普通の子供”に逆上がりを教えるのか
夏休みがまだ真っ盛りだった頃、ある日の都内の“教室”には威勢のいい子供と先生の声が響いていた。
「KUNOICHI」で人気、岡部紗季子さんが「破天荒」に辿り着いた児童体操指導という第2の人生
夏休みがまだ真っ盛りだった頃、ある日の都内の“教室”には威勢のいい子供と先生の声が響いていた。
「逆上がりはサッカーボールを蹴るみたいに!」
岡部紗季子。名前に聞き覚えのある人もいるだろう。元体操日本代表選手である。現在、一般の小学生を対象とした体操教室を持っているほか、サッカー元日本代表FW武藤嘉紀らを輩出した「バディスポーツクラブ」で未来のトップアスリートを目指す子供たちに指導も行っている。
最近は現役時代に培った身体能力を生かし、TBS系番組で“女版SASUKE”といわれる人気企画「KUNOICHI」で活躍。自身のインスタグラムでは中華街で逆立ちや海でバック転する美しいアクロバティックな姿を公開し、人気を博している29歳。なぜ、日の丸を背負った彼女はトップ選手の引退後のキャリアとして「子供たち」を選んだのだろうか。
「単純に体操が好きで。現役時代から、ずっと体操に関わっていきたいという思いがあって。例えば、運動が苦手な子が逆上がりができてうれしいという気持ちになって、体操を楽しいと思ってくれる。そういうことが今、楽しいんです」
こう言って表情に充実感を漂わせた。その体操人生は、出会いに支えられたものだった。
体操は経験者の母の勧めで始めた。「何かスポーツをやらせようということで、家の近くにあったということだけ。そこが、たまたま名門だったんです」。ささいなきっかけで踏み出した第一歩。しかし、体を動かし、一つ一つの技を覚えていくうちに体操の虜になった。「バック転とか体操っぽい練習ができるだけで楽しくて。小学1、2年生の頃にはもう『体操選手になりたい』と決めました」。そこから、日の丸を背負うまで飛躍を遂げる。
ひと握りのトップ選手にまで成長できた理由は何なのか。それを問うと、「縁」という言葉が返ってきた。
「コーチに恵まれていたと思います。基礎から習っていたコーチは私たちが第1期生でいろんな指導を吸収して取り入れていた。クラブにはロシア人の女性コーチも入ってくれて、日本だけでなくロシア流の考え方を学べたから強くなれたということもある。そこから、高校、大学とロシア人のコーチがついてくれて。指導者との縁は大きかったと思います」