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ナバレッテの目は輝いた― Sバンタム級最強王者に聞いた「VS井上尚弥」の可能性

ナバレッテにとっても井上は魅力的な相手だが、障壁も

 “周辺階級の選手”という言葉を聞いてピンと来たファンも少なくないかもしれない。ナバレッテが属するスーパーバンタム級は、井上尚弥(大橋)が戦うバンタム級の1つ上の階級。現在参戦しているワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)が終了し、その後にバンタム級で相手がいなくなったら、井上は遠からずうちに上の階級に上がっていくのだろう。その時には、ナバレッテは好敵手になるのではないか。

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 ディフェンスには隙のあるナバレッテを井上があっさり倒してしまっても不思議はないが、メキシカンが井上のパワーパンチを耐えられた場合、面白い展開になるかもしれない。特にWBSS後の井上は、ナバレッテと同じトップランクとのプロモーション契約が有力視されている。だとすれば……?
 
「もしイノウエと戦えたら素晴らしい機会になりますね。イノウエはスピードがありますし、アグレッシブ。常にフィニッシュを狙って攻めていく彼みたいなスタイルの選手が大好きなんです。本当に凄いボクサー。イノウエとのビッグファイトが実現したら、僕にとっても名誉です。ただ……」

 試合後、井上戦の可能性をナバレッテに尋ねると、すぐに目を輝かせた。通訳を通じての英語でのインタヴューだったが、このメキシカンが井上の強さを熟知していることはその表情からも明白。そして、おそらくは直接対決に思いをめぐらせたことがあるからこそ、現実的に実現させるのは容易ではないことも理解しているようだった。

「僕はあと1、2戦ほどでフェザー級に上げるつもり。スーパーバンタム級に長くとどまる意思はありません。それ以上、僕の身体がこの階級で持つとは思いません。だからスーパーバンタムでは最高でもあと2戦ですね」

 ナバレッテはスーパーバンタム級では長身だけに、この階級で残された時間は少ないというのは理解できる。すぐにでもレイ・バルガス(メキシコ)、ダニー・ローマン(アメリカ)といった対立王者と統一戦を行いたい様子で、実際にエロルデ戦のリングサイドにはバルガスの姿もあった。

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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