五輪レース1位も「自分たちはまだまだ」 フクヒロが“挑戦者”でい続けるワケ
東京五輪の開幕まで1年を切った今、世界各地で様々な競技の代表権を懸けた戦いが繰り広げられている。今や日本の新しいお家芸となったバドミントンもまた、選考レースの真っ只中。特に、日本のバドミントン女子ダブルスは世界ランクのトップ3を独占するなど、圧倒的な強さを見せつけている。
新お家芸となったバドミントン、中でも混戦極める女子ダブルス界
東京五輪の開幕まで1年を切った今、世界各地で様々な競技の代表権を懸けた戦いが繰り広げられている。今や日本の新しいお家芸となったバドミントンもまた、選考レースの真っ只中。特に、日本のバドミントン女子ダブルスは世界ランクのトップ3を独占するなど、圧倒的な強さを見せつけている。
リオ五輪金メダリストの高橋礼華・松友美佐紀のタカマツペア、2018年世界選手権で優勝した永原和可那・松本麻佑のナガマツペアと並び、世界ランク1位の座を争うのが、福島由紀・廣田彩花のフクヒロペア(アメリカンベイプ岐阜)だ。直近52週の獲得ポイントで決まる通常の世界ランクでは3位だが、2019年4月29日以降の五輪選考大会でのポイントを競う世界ランク「RACE TO TOKYO」では、タカマツペアらを上回り、1位をキープする(9月3日現在)。世界トップの一角として追われる立場になっても、2人は「常にチャレンジャーの気持ち」を忘れずにいるという。
「以前に比べると、色々な選手から研究されているなと感じますね。インタビューでも“追われる立場”って言われるんですけど、女子ダブルスに関しては国内のレベルがすごく拮抗しているので、自分たちが1位だとしても2位以下も強い。なので、自分たちも向かっていく気持ちは忘れないようにしています。気持ちが引いてしまうと、プレーも引いてしまうので『自分たちはまだまだ』というところを意識しています」(福島)
「正直、前は勢いで勝っていた試合も多かったと思います。でも、今は国内はもちろん他国のペアにもすごく研究され、対策を立てられているので、そこに対して自分たちもまた対策を考えながらやっています。福島先輩も言ったように、自分たちが1位ではありますけど、まだまだ。もっともっと強くなりたいという気持ちが大きいので、相手が向かってきても向かい返す気持ちでいます」(廣田)
東京五輪のバドミントン女子ダブルス出場枠は、全世界で16組。2019年4月29日から2020年4月26日までの約1年を選考期間とし、選考大会で獲得したポイントによる世界ランクで最上位から選ばれる。ただし1か国から出場できるのは最大2組で、トップ3を占める日本からも2組しか出場できない。日本代表権を巡る争いは、まさに熾烈を極める。その中でもポイントとなるのは「日本人同士の対決の中でどう勝ちきるか、どう気持ちをもっていくか」だと福島は言う。
「どの大会でも日本人ペアが必ずベスト4に入る状況で、本当にお互いに手の内はバレている。その中で勝ち負けがあるのは当たり前なのかなって思うんですけど、連敗しないこと、何よりやっぱり勝つことが一番大事ですね。お互い負けたくないところなので、相手を研究しながら、気持ちを読みながらの勝負です」(福島)