リレー日本は「2019年に金もある」 専門家が見た可能性「考え方の基準が壊れた」
「0秒17」を縮めたベテランの奮闘と陣営の勝負采配「絶妙にハマった」
加えて、個々の選手については藤光を称賛した。今大会はリレーの補欠としてエントリー。個人種目の出場はなかったが、31歳のベテランはアンカーという大役を十二分に全うした。
「桐生選手から藤光選手へのバトンパスはこれまでも練習してきていたようですが、それにしてもよく気持ちを切らさず、コンディションを整えていたと思います。しっかりとアンカーを走り切り、補欠でも通常のメンバーにも引けをとらない走りでした」
一方、伊藤氏とともに「0.01」を主催する200メートル障害日本最高記録保持者の秋本真吾氏は「バトンパスの修正能力が凄い」と舌を巻いた。
「予選で詰まった状態で、しかも決勝から藤光選手を使った。自己ベストで予選より遅い選手が入っても、その中でクオリティを上げてメダルを獲る。日本のバトンパスの完成度が高いから、ほかの選手にも応用できる。ほかの国ではできないことだと思います」
秋本氏も勝負所で起用した「アンカー・藤光」の日本陣営の采配には驚いたという。
「普通なら予選から走っているメンバーで、安全策を取ると思います。日本としては勝負をかけて絶妙にハマった。走りを見る限り、藤光選手もケンブリッジ選手とそん色ない走りができていたし、結果としてバトンパスで0秒17縮まっていたことになる。そのくらい、ほぼ完ぺきなバトンパスだったと思います」
ただ、このレースでは世界が驚くアクシデントもあった。