萩野VS瀬戸の行方は? 競泳選手にとって「最強ライバル」の存在がもたらすもの
「お互いにいない方がいいと思っている」…それでも「貴重」なライバルの存在
「強い相手がいるのは嫌なんだけど、レベルの高いところでのライバルはすごく恵まれていると思う。日本選手権で勝てるか勝てないかは小さいところだけど、世界で勝てるか勝てないかのライバルだから。そういう存在がいることは日本にいることはすごくいいことだと思います」
ただのライバルではなく、世界最強を争う間柄にある。そんな伊藤氏の目には「萩野・瀬戸」というライバル関係はどう映るのか。
「お互いにいない方がいいと思っていると思うけど、いなかったら2人も頑張れないと思う。とても過酷だけど、一人しか金メダルは獲れない。ただし、どちらも実力はある。ライバルがいた方が本人たちも伸びるし、引っ張られて下の世代も伸びてくる。バトンが大事だから、競技全体を考えても貴重な存在です」
競泳界全体の成長にも効果を及ぼすという2人。世界でもトップクラスの実力を誇るが、選手としてタイプは似て非なるものだという。
「萩野選手は天才肌タイプ。瀬戸選手とは感覚がちょっと違う。針の穴に糸を通すような感じ。逆に瀬戸選手はすごく精神的にもタフ。性格も違うし、考え方も違う印象です」
今大会は200メートル、400メートルの個人メドレーで激突。どんなレース展開となるのか。
「いつも通りの展開になるとみています。最後の自由形勝負じゃないか。今は瀬戸選手の方が体力的にもタフだと思う。萩野選手にとっては、平泳ぎで先行しないといけない。平泳ぎで負けていたら厳しいと思うし、並んでいても危ないかもしれません」