ニュータイプの天才・池江璃花子はなぜ、なんでも速いのか 17歳の「体のヒミツ」
伊藤氏が「ニュータイプ」と表現した17歳の「心」と「体」の強さとは?
「柔らかい人は力強さが足りず、ぐにゃぐにゃとしたような泳ぎになる。けれど、彼女の場合は柔らかさの中にしなやかさがあるから、水を掴む動きがすごくいい。泳ぎのテンポが良くて抵抗の少ない泳ぎをしている。それは種目を問わず、理想的な肩だと思います」
加えて「足も柔らかくて水中でキックも利くから、あれだけ速く泳げるのだと思います」と分析した。
「日本人選手にはいないタイプ。柔らかい選手は日本人にいるけど、池江選手のようなタイプはいない。だから、どういう感覚で泳いでいるのかわからない。未知。ニュータイプという感じです」
近年の日本競泳界には存在しなかったという「ニュータイプ」の17歳。では、性格的な観点からいえば、強さはどこにあるのか。
「明るいし、何よりも負けず嫌い。リオ五輪でも、先輩の名前を出して『負けたくない』と言っているから、すごい子だなと。普通は言えないことです。自分が一番でありたいという欲がある。だから、全部で一番になりたいんじゃないでしょうか。本来なら種目を絞ったっていい。ただのチャレンジじゃない。いいことだと思います」
4月の日本選手権では女子史上初の5冠を達成。一段と選手としてたくましさが増した印象だが、その裏に変化を感じていたという。伊藤氏は「五輪行って変わったと思う」と言い、こう続けた。