サニブラウンは“世界基準”で生きていた 米国人コーチが告白した2年間の成長曲線
「みんなで速くなる」の言葉に凝縮されていたフロリダ大で学んだ姿
2度目の2冠でもサニブラウンは「内容は違う2冠になった。2017年はただ、走っているだけだった。今回はいろんなことを考えながら走った」と異なる感覚がある。日本のピストル音のタイミングに苦戦し、反応速度は遅れた。課題克服のために、100メートルはスタートで両膝を下げて走った。腰を上げるタイミングを早める反復練習も。200メートルはスムーズにスタートを切ることを意識し、いつも通りのやり方に戻した。自ら試行錯誤し、本番で修正する。これも一つの成長だ。
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「自分が挑戦してきたことを証明するいい機会になった。自分が成果を見せることであとに続く高校生や、他の若い人にとって、外国コーチなどいろんな環境でもまれるチャレンジができれば。ずっと同じコーチとやるのではなく、いろんなことを試して新しいものを見つけることも大事。オープンマインドで自分に合ったものを見つけて。
やりたいことの視野を広げられる。陸上だけでなく、人として成長できるので是非挑戦してほしいですね。世界で速い選手は悪天候でも自分のやるべきことをやって、力を出す。日本の短距離界のレベルも上がっているし、自分が海外に出て日本に戻ってくることで、日本の選手と切磋琢磨してみんなで速くなっていければ」
20歳にして後進のことまでも考えている。「みんなで速くなる」の言葉に、フロリダ大で学んだ姿が凝縮されているように見えた。将来的にどんな選手になれるのか。最後にライト氏は言った。
「可能な限りベストになること。もちろん、より速く走れるように計画している。将来的に何秒出せるかなんてわからない。ただ、今は彼に健康でいて欲しいと思っているよ」
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)