名将・井村雅代の「新挑戦」 水上のバレエ「フリーコンビネーション」は何が面白い?
馴染みが薄い“水上のバレエ”…井村HCが手がけた挑戦的な演技構成とは?
しかし、「フリーコンビネーション」といっても、一般のファンには馴染みが薄いかもしれない。それも、そのはず。五輪では採用されておらず、世界大会では、世界選手権やワールドカップでしか見ることができない。
世界選手権では03年のバルセロナ大会から採用。チームフリーの8人と比べ、2人多い10人で演じる。まるで“水上のバレエ”をしているかのように躍動する、自由度の高い種目だ。青木氏もフリーコンビネーションの面白さを説く。
「1曲の間に、10人で動きを合わせて泳ぐこともあれば、1人、2人、3人、それぞれ別の動きをすることもある。そして、何人で泳いでもいい。正確には何人でこれをしないといけないという決まりはありますが、とにかく5分間で様々な動きを見られるところが魅力です」
なかでも、井村HC率いる日本は、挑戦的な演技構成に挑んでいるという。
「実際に練習でプログラムを見てきましたが、構成がとにかくおもしろいです。例えば、演技の冒頭で半分に分かれ、それぞれがプールの端まで行ってしまい、戻ってくる。これは泳力がないと絶対にできないことで、そんなところにも井村先生のチャレンジが感じられました」