井岡一翔が次に戦うのは誰だ 日本の“視聴率男”復活が与えるSF級世界戦線への影響
井上尚弥の保持したベルト、井岡は2階級王者・エストラーダを希望
以前から掲げる夢は、海外でのビッグマッチ。現在、スーパーフライ級の世界王座には、WBAにカリ・ヤファイ(英国)、WBCにファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)、IBFにジェルウィン・アンカハス(フィリピン)が君臨する。「強いて言えばエストラーダ選手ですかね。ずっと近いところ(階級)にいるし、世界的にも評価が高いし、メキシコで人気だし、米国でも人気だし」
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今後戦いたい他団体王者を問われた井岡は、2階級制覇した強敵を挙げた。長く王者にいたシーサケット・ソー・ルンビサイ(タイ)を4月に下して王座奪取。フライ級時代は井岡との対戦の可能性もあり、ファンが空想したカードでもある。
そもそも、井岡が奪ったWBOスーパーフライ級のチャンピオンベルトは、WBA・IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)が14年12月に奪取し、昨年3月に返上したもの。いまや、世界を席巻するモンスター。井岡が17年末に引退宣言し、18年9月に米国で復帰、大晦日に4階級制覇挑戦に失敗する間に、井上は世界中の注目の的となるほど高みに上り詰めた。ボクシング界を牽引する後輩王者について、井岡は敬意を払う。
「何も思わないことはないけど、僕も現役ですし、彼を評価することは失礼だと思いますし、彼は彼で偉大なことをやってるし。でも、何も感じないと言えばそれは嘘になるし。もちろんリスペクトもあるし、でも僕はそこに気を留めずに、自分のやることをやっていこうという気持ちです」
19日のリングサイドには、元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(白井・具志堅スポーツ)も姿を見せていた。昨年4月のV2戦で体重超過を犯し、日本ボクシングコミッション(JBC)から無期限資格停止処分を受けている。だが、同じ過ちを犯さない環境が整えば、JBCは処分解除の方針を持つ。復帰する場合は1階級以上の転級を条件にしている。
現役王者ではないが、元世界4階級王者ローマン・ゴンサレス(帝拳、ニカラグア)の存在も忘れてはならない。誰が相手になるにせよ、かつて瞬間最高20%前後をマークした“視聴率男”が国内にチャンピオンベルトを持ち帰ったのは、日本ボクシング界にとって大きな意味を持つ。井岡の復活でスーパーフライ級戦線はどう動いていくのか――。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)