いつも飢えていた Bリーグ新人賞、岡田侑大という“想像を超える男”の一直線人生
チームケミストリーを高めて、目指す頂点
岡田にとって、新人賞は通過点に過ぎない。しかもまだ入り口に近い通過点だ。
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「2年目はマークもキツくなって、厳しいシーズンになると色々な方から言われますけど、その中で自分がどれくらいできるかは、このオフの準備しだいだと思っています」
来季は背番号が#30から#2へと変更されることが発表された。三河の2番といえば、ミスターバスケットボールと賞される佐古賢一氏が付けていた、特別な番号だ。大きな期待を背負って迎える新シーズンの目標は「日本一になること。シャンパンファイトをやりたいですね。来季は『シャンパンやります』って書いといてください」
今季は中地区4位に終わり、13年ぶりにチャンピオンシップを逃した三河。Bリーグ優勝という目標を達成するためにはチームケミストリーを高めることが不可欠だと岡田は続ける。
「ここに来る前は比江島さんが目標だったんですけど、今は金丸さんの影響を受けまくっています。今季は一人で打開しようと1対1にこだわってしまったんですが、金丸さんも一つひとつのスクリーンや、動き、パスも大事だと言ってたので、来年はチームプレーを優先して、一つ一つのスクリーンとかにこだわって戦っていきたい。(熊谷)航さんと僕がもっとチームを理解すれば、今年とはまた別のチームになると思います。新たな三河のバスケットをつくりたい」
新人賞の次なる個人目標を聞くと、「ベスト5に選ばれるようにがんばりたいんですけど、そんなに簡単じゃない。3人が3年連続で選ばれているということは、相当なインパクトを与えないと……。
得点ランキングは外国籍選手が上位だし、アシストも難しいんですよね。フリースローパーセンテージで勝てるように頑張ります。フリースローはめっちゃ苦手で、今季は70%しかない。あと20%上げれば、ワンチャンあるかな」といたずらっぽく笑う。
目の前の課題を克服し、一歩一歩ベストな自分を追い求める岡田。「あまり遠い目標は考えていないんですよ。でも東京五輪じゃなくても、その次の五輪に出たいという気持ちはあります。今から5年あるので、そのために準備していきたい」。岡田が描く線は、この先も、どこまでも真っすぐに続いていくことだろう。
(山田 智子 / Tomoko Yamada)