世界陸上で落選「何のために陸上を…」 20日後も溢れた涙、再出発…青木アリエは越えた壁の分だけ強くなる

青木が国スポに出場した理由とは「応援してくれる人に…」
無念の落選から20日。青木は10月3日、故郷・静岡のオレンジのユニホームをまとい、平和堂HATOスタジアムのスタートラインに立った。
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成年女子300メートル予選で38秒04を記録。決勝は棄権したが、成年少年女子共通4×100メートルリレーでは1走で予選、準決勝に出場し、3本のレースを走った。「応援してくれる人に、陸上を元気にやっている姿を見せたかった」と出場の理由を明かす。
「大学の顧問の先生が世界陸上期間中もずっと一緒にいてくださって、見捨てられなかったことが心の支えになった。国スポは、静岡の先生や後輩たちとお話できて、少しずつ『陸上楽しいな』と思える大会になりました」
そう前向きに話したが、本当は心の傷は癒えていない。取材では涙が溢れ出す場面もあった。「シーズンオフしたら1か月くらいはトラックを見たくない(笑)」。それでも周囲の支えを受けて、再出発を切った。
これまでも順風満帆な陸上人生だったわけではない。東海大翔洋高(静岡)2年時にインターハイで6位入賞も、そこから体重管理に苦労しスランプに。タイムは1分台にまで落ちた。日体大1年時のオフに体と対話しながら8キロ減量し、2年時に日本インカレを制覇。日本のトップレベルにまで這い上がってきた。
来年は名古屋で日本選手権、アジア選手権が行われる。もう悔し涙は要らない。今度は日の丸のユニホームを着て、きっと。
「陸上をやりたいと思う時までお休みして、気持ちを作り直してから色々な種目、練習に挑戦していきたい。アジア選手権が大きな目標。日本選手権では日本記録を更新したい」
越えた壁の分だけ強くなる。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)
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