“控えGK”のメンタル術 元日本代表が語る心構えとチームにもたらす影響
控えGKに課せられるタスクは想像以上に大きい
控えGKに出番がやってくるのは、ほとんどの場合が不慮の負傷や累積警告、退場処分など正GKにアクシデントが発生した時だ。突然出番が訪れた時のためにも、常に心身両面での準備が必要だという。
「もしものことがあっても『自分はこういったセービングができる』と、常にグラウンドでアピールする必要性がある。もしも、その気持ちを忘れて1日でもクオリティーを落としてしまうと、監督やGKコーチからは信頼を勝ち取れません。
そういった意味で控えGKの方が、集中しなければいけません。チームメートもいつも出ているGKなら少しのミスであれば許してくれるところを、控えGKだと『そこでミスをするか!』という目で見られてしまいますからね」
土肥氏は「試合に出られないからこそ、正GKとの間にあるギャップを自分自身で埋めていかなければいけないんです」とも語っている。
厳しい視線を浴びせられているからこそ、出番はなくても手抜きは一切許されない。その妥協なき姿勢がチームに健全な競争力と成長をもたらすという。たとえゴールマウスの前に立てなくとも、チームに勝利をもたらすために、控えGKに課せられるタスクは想像以上に大きいようだ。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer